灰原千晶

　美術批評家、勝俣涼企画のもと、架空なものに対する豊かな想像力をもって、人々の先入観や常識を揺さぶるインスタレーション、映像作品などを手がける美術作家、灰原千晶の個展を開催する。

　勝俣は1990年長野県生まれ。主な論考・エッセイに、「未来の喪失に抗って――ダン・グレアムとユートピア」（『美術手帖』第15回芸術評論募集佳作、2014年）、「ジョン・バルデッサリの修辞学」（『引込線2015』所収、引込線実行委員会、2015年）のほか、多数の展評も寄せている。

　灰原は1990年千葉に生まれ、武蔵野美術大学を卒業後、東京を中心に活動。人々の歴史認識や共同体意識、社会が人々をコントロールするプロセスに関心を寄せ、日々の些細な出来事から受けたインスピレーションを、神話や文学、言葉遊びを交えながら、ビデオ、立体、写真などさまざまなメディアで作品化している。2011年より、在日朝鮮人アーティストとの断続的な共同プロジェクトのなかで現代社会への独自の視点を得るための実験を実施。現在は東京藝術大学美術研究科グローバルアートプラクティスに在学し、カルチュラルスタディーズを学んでいる。​

　勝俣とつくり上げた展覧会を「縫いなおされる星座」と題して、自身との対話で新たな発見を見出しながら手がけた作品を発表する。