サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法

　戦後フランスのグラフィック・デザインを代表するポスター作家、レイモン・サヴィニャックの回顧展が開催される。

　1907年、パリに生まれたサヴィニャックは、第二次世界大戦後のフランスのグラフィック・デザイン界を主導し、他国・地域のデザイナーにも大きな影響をおよぼした。82年にフランス北西部のトゥルーヴィル＝シュル＝メールへ自宅・アトリエを移すまでは、パリを拠点に活動を展開。トゥルーヴィル転居後の晩年も、創作の泉を涸らすことなく、2002年、94歳の生涯をまっとうした。

　サヴィニャックの作品は、「温かいユーモアに満ちたイラストレーション」を特徴とし、原画はもちろんのこと、日本を含む世界各国の企業・公共ポスターになっても、「フランスらしいエスプリの感覚」を大切にする制作態度を貫いてる。

　本展は、機知溢れるポスターや原画、スケッチ、写真、資料など約200点を通して、サヴィニャックの業績と作品の魅力を幅広く紹介する。