EXHIBITIONS
できやよい
Flags
できやよいは「日本ゼロ年」(水戸芸術館、1999年)や「六本木クロッシング2007 未来への脈動」(森美術館、2007年)などの展覧会を始め、「第7回建築展ヴェネツィア・ビエンナーレ」(2000年)、「第7回リヨン・ビエンナーレ」(2003年)などの国際展に出展。約2年ぶりとなる今回の展覧会では「マイノリティ・フラッグ」を題材にした新作10点を発表する。
できがここ数年取り組んできたのは、世界各国の国旗をモチーフにした「国旗シリーズ」だ。ウルグアイ、アイルランド、フランスなどの国旗に使われている色彩をモチーフに、それぞれおよそ120cm四方の画面にびっしりとフィンガースタンピングで色を乗せ、無数の顔を描き込んだ、一見ミニマルに見えるがスペクタキュラーな作品となっている。フリーハンドで水平方向に画面に乗せられた色たちは風を受け、たなびくようにも見え、近寄って見たときに気づく無数の顔は、その国や地域に息づく人々の生を想起させる。
引き続きフラッグに興味を持っていたできが今回のテーマに選んだ「マイノリティ・フラッグ」は、セクシャル・マイノリティなどの狭義の範囲でなく、過激な抗議活動で知られる動物愛護団体やパラリンピックなども含む。どんなフラッグにもその色や形に意味があるが、マイノリティ・フラッグには、国旗には通常使われることの少ないペールトーンが使われていたり、多様な人々の生や主張を擁護する目的で多彩な色が使われており、「そこに強く惹かれた」と、色彩に強い興味を持って制作を続けてきたできは言う。
この展覧会では、先に触れた動物愛護団体、パラリンピックの他に、LGBT、Cupio Romanticなどのフラッグから想を得た新作を発表。また、そこには色とりどりの人の顔だけでなく、おなじみのパンダらしき動物の顔も描かれており、できやよいの永遠の「少女性」をうかがわせる。彼女の作品を「絵画」たらしめているもの、それは手法そのものだけでなく、溢れる色彩に表された快楽、イノセンス、そして呪術的とも言える細密描写から立ち上る、人間が秘めている根源的狂気のアンビバレンスであると言えるだろう。
できがここ数年取り組んできたのは、世界各国の国旗をモチーフにした「国旗シリーズ」だ。ウルグアイ、アイルランド、フランスなどの国旗に使われている色彩をモチーフに、それぞれおよそ120cm四方の画面にびっしりとフィンガースタンピングで色を乗せ、無数の顔を描き込んだ、一見ミニマルに見えるがスペクタキュラーな作品となっている。フリーハンドで水平方向に画面に乗せられた色たちは風を受け、たなびくようにも見え、近寄って見たときに気づく無数の顔は、その国や地域に息づく人々の生を想起させる。
引き続きフラッグに興味を持っていたできが今回のテーマに選んだ「マイノリティ・フラッグ」は、セクシャル・マイノリティなどの狭義の範囲でなく、過激な抗議活動で知られる動物愛護団体やパラリンピックなども含む。どんなフラッグにもその色や形に意味があるが、マイノリティ・フラッグには、国旗には通常使われることの少ないペールトーンが使われていたり、多様な人々の生や主張を擁護する目的で多彩な色が使われており、「そこに強く惹かれた」と、色彩に強い興味を持って制作を続けてきたできは言う。
この展覧会では、先に触れた動物愛護団体、パラリンピックの他に、LGBT、Cupio Romanticなどのフラッグから想を得た新作を発表。また、そこには色とりどりの人の顔だけでなく、おなじみのパンダらしき動物の顔も描かれており、できやよいの永遠の「少女性」をうかがわせる。彼女の作品を「絵画」たらしめているもの、それは手法そのものだけでなく、溢れる色彩に表された快楽、イノセンス、そして呪術的とも言える細密描写から立ち上る、人間が秘めている根源的狂気のアンビバレンスであると言えるだろう。