EXHIBITIONS

衣笠豪谷

2019.11.08 - 12.15

衣笠豪谷 豊肴萬俎旨酒千鐘図 1892

 衣笠豪谷(きぬがさ・ごうこく)は明治前期に生きた倉敷出身の南画家。山水や花鳥のほか、倉敷の風景や瀬戸内の豊かな海の幸などを題材とした多彩な作品を残した。

 豪谷は当初、画の修業のために鎖国の解除後の極めて早い時期に清国へ渡り、現地の文人らと交流。帰国後、官僚として働く。43歳で退官した後は倉敷と東京を行き来し、旧居で地元の名士らと交誼を結びながら画作を行ったほか、碑刻のための書の依頼をこなすなど多才を発揮した。いっぽう東京では日本南画会の発起人のひとりとして南画の振興に努めた。

 詩情を湛えた山水画や花鳥画、郷土愛が滲む風景画などを描いた豪谷。本展はその知られざる画業と生涯を、新出資料を交えて通覧する初回顧展となる。