艶美の競演

　埼玉在住のコレクター・木原眞人（きはら・まさと）が所蔵する近代日本画コレクション「木原文庫」より、名品を紹介する展覧会が開催。東西の名手の美人画と日本画の代表的な作家たちの作品が集う。

　木原は幼少期より近世・近代の文学に親しみ、職を得た後に文学者の書跡や資料の収集を開始。やがて日本画の線描の精妙さ、美しさに惹かれ、近代日本画、とりわけ美人画を多く収集するようになり、いまではそれらが「木原文庫」と称されるようになった。

　本展では、「第一部　うるわしき美人画の世界」として、東京の鏑木清方、大阪の島成園を中心に、上村松園や北野恒富、木谷千種の作品によって、日本画における女性表現の魅力を紹介。東京・京都・大阪、三都の画家たちによる美人画を、新潟の地でいちどに見ることのできる貴重な機会となる。

　続いて「第二部　近代日本画の名手」では、横山大観、竹内栖鳳、冨田溪仙、橋本関雪、土田麦僊らが描いた歴史画、花鳥画、風景画を展示。全91点の作品を通じ、日本画が洗練させてきた美の世界を堪能したい。