EXHIBITIONS

片岡純也+岩竹理恵 個展「物象詩—表出する内圧」

2021.01.09 - 02.14

片岡純也+岩竹理恵 表出する内圧 2020 © Junya Kataoka + Rie Iwatake Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

片岡純也+岩竹理恵 「内包される風景」より 2020 © Junya Kataoka + Rie Iwatake Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

片岡純也+岩竹理恵 Ghost in the Sellotape 2014-2020 © Junya Kataoka + Rie Iwatake Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

片岡純也+岩竹理恵 内包される風景—脈を見る 2020 © Junya Kataoka + Rie Iwatake Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

片岡純也+岩竹理恵 手のひらによる木漏れ日現象 2020 © Junya Kataoka + Rie Iwatake Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

 アートユニット、片岡純也+岩竹理恵の個展「物象詩—表出する内圧」がKANA KAWANISHI GALLERYで開催される。

 片岡純也+岩竹理恵は、2013年にパリでのレジデンスを機に2人組での活動を開始。片岡の手がけるキネティック作品と、岩竹の制作する平面作品とが相互に呼応する展示空間で、日常に潜むささやかな異和を顕現させる作品群を発表してきた。

 片岡のキネティック作品は、セロテープやマスクなど身の回りにある日用品の観察を起点とし、回転、重力、風力などのシンプルな物理的エネルギーを日用品に与えるなかで、「予想通りのことが起きているのにそれ以上の何かが起きている」という状況をつくり出す。いっぽう、岩竹の平面作品は、医学書や切手などの断片を組み合わせたコラージュ、写真、版画などの手法で、事象の類似や連想を扱い物語を紡ぎ出す。

 本展では、2020年の春以降、世界中のどこでも見られるようになったマスクや消毒アルコールをモチーフにしたキネティック作品や、昔の医学書の施術風景と絵葉書とを組み合わせたコラージュ作品などを発表。

 マスクを着用した人の「マスクの下の口の動き」といった、目の前の事象や情景を暫定的にとらえること、あるいは文脈を離れて事象や情景を観察して再現を試みることを「物象詩」ととらえて展示を構成し、仰々しさとささやかさが同列に扱われる、味わい深い眼差しを浮かび上がらせる。

 なお2人は、東京都現代美術館で開催されているグループ展「MOTアニュアル2020 透明な力たち」(~2月14日)に参加中。