FLUSH-水に流せば-

　EUKARYOTEは、吉田山（FL田SH）のキュレーションによるグループ展「FLUSH-水に流せば-」を開催。循環や水への関心などを作品の鍵として制作している作家4名、千葉大二郎、藤倉麻子、光岡幸一、渡辺志桜里が参加する（当初出品を予定していた黒坂祐は、作家都合により不参加）。

　本展タイトルにある「FLUSH（フラッシュ）」の意味は洗い流すこと、日々行う日常での身体的な作業のこと。日本において「水に流す」は精神的にも重要な概念であり、島国で共同体（人間関係）を継続させる合言葉であり、そして数々の物事は水に流されてきた。

「FLUSH」をタイトルにつけたことは、吉田山がディレクターを務めていたギャラリー／アートショップのFL田SHが入居していたビルが、渋谷区の再開発という波に流されてしまったことにも由来する。

　吉田山の試みのひとつである本展は、EUKARYOTEの空間を、舞い散る水しぶきと轟音に包まれるような滝に見立て、鑑賞者もそこで「WATER」となって循環し、鑑賞する展覧会だという。この試みは、フラットな組織構造の形成、世界中に起こるジェンダーや人種の問題、コミュニケーションの難しい植物などに対して、当事者性を持つことも意図している。