EXHIBITIONS

狩野派と土佐派

幕府・宮廷の絵師たち

2021.02.25 - 03.31

伝 狩野元信筆 四季花鳥図屏風(右隻) 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵

伝 狩野元信筆 四季花鳥図屏風(左隻) 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵

伝 狩野正信筆 観瀑図 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵 小林中(こばやしあたる)氏寄贈

土佐光起筆 源氏物語朝顔図 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

伝 土佐行秀筆 羅陵王図 日本・室町時代 15世紀 根津美術館蔵 植村和堂氏寄贈

 根津美術館は、2つの絵画集団に注目した企画展「狩野派と土佐派 幕府・宮廷の絵師たち」を開催する。

 中世末に始まり、約400年の長期にわたって、日本の画壇に君臨した狩野派。その祖である狩野正信(1434?〜1530)は、中国画が珍重された室町時代に「漢画」の絵師として頭角を現し、8代将軍・足利義政に仕えて流派の礎を築いた。

 いっぽう伝統的な絵画様式である「やまと絵」を継承し、南北朝時代以来の歴史と格式を誇った土佐派は、狩野正信と時を同じくして登場した土佐光信(1434?〜1525)の活躍によって栄華を極めた。

 その後、狩野派の2代・元信による狩野派独自の漢画様式の確立と、漢画とやまと絵を融合した斬新な様式の創出、そして土佐派の当主の戦死などにより、狩野派が中央画壇を牽引。しかし土佐派の命脈は途切れず、時の天皇の庇護により、江戸時代前期に宮廷の絵師として復活を遂げることとなる。

 本展では、根津美術館が所蔵する狩野派と土佐派の作品を中心に、室町〜江戸時代に幕府や宮廷の御用を務めた絵師たちの作品を紹介。端正な室町水墨から、江戸時代の豪華な屏風や鮮やかな色彩のやまと絵に至る、御用絵師たちの多様な絵画世界を楽しみたい。