DELTA Exhibition

　2020年に、TEZUKAYAMA GALLERYでスタートしたアートフェア「DELTA Experiment」。既存のアートフェアとは異なる視点でギャラリー、アーティスト、コレクターをつなぐ新たな「場」の創造を目的に、国内3都市（東京・大阪・京都）から先鋭的な企画展やアーティストを発信している7軒のギャラリーが参加した。

　今回は「DELTA Exhibition」と題し、初回に参加したDMOARTS（大阪）、EUKARYOTE（東京）、FINCH ARTS（東京）、FL田SH（東京）、HARMAS GALLERY（東京）、LEESAYA（東京）、TEZUKAYAMA GALLERY（大阪）の各ギャラリーが新たにアーティストを厳選して、展覧会形式で紹介する。

　出展作家は、アクリルペイント、シルクスクリーンなどの複数の技法を駆使し、多次元的な景色を表現する松村咲希（DMOARTS）、モニターの表示構造である画素（ピクセル）を絵画で再現し、画面の発光を絵具に物理的に置き換える「ピクセルペインティング」を主に制作する香月恵介（EUKARYOTE）、人が他者や事物をわかる（わかり合う）ことに強い疑問と関心を持ち、「協働」「収集あそび」「ドローイング」の異なるアプローチから他者理解のオルタナティブを示すことを試みる彦坂敏昭（FINCH ARTS）、デジタル・メディアを基盤として、公共圏における表現にインスパイアされた作品で知られるやんツー（FL田SH）。

　身近にある雑貨や置物などをかたどった透明アクリルの型に、無関係なぬいぐるみや人形を封入した作品シリーズで、一般的な認識や常識的なルール、振る舞いなどに対して問いかける永井天陽（HARMAS GALLERY）、在日コリアン3世として日本に生まれ育った自身の社会的な不安定さや曖昧な状況を、シルクスクリーンの技法を応用した作品に投影する金光男、一見、アクリル画のように色鮮やかで、ドローイングのように軽快な印象をもつ独自の版画作品を手がける宮田雪乃（2名ともにLEESAYA）、平面表現から出発し、独学で立体の造形技術を習得した後は、「視点を変えることで、イメージが持つ意味や認識が変化すること。」をテーマに自由な解釈が可能な作品を制作する大江慶之（TEZUKAYAMA GALLERY）の8名 ※（）内は所属ギャラリー。