EXHIBITIONS

松下真理子 個展「人間の声」

現代芸術振興財団
2021.10.28 - 12.18

松下真理子 人間の声 2021 © Mariko Matsushita 撮影=齋藤裕也 Courtesy of KEN NAKAHASHI

松下真理子 声1 2021 © Mariko Matsushita 撮影=齋藤裕也 Courtesy of KEN NAKAHASHI

松下真理子 声2 2021 © Mariko Matsushita 撮影=齋藤裕也 Courtesy of KEN NAKAHASHI

松下真理子の直筆ノート

 現代芸術振興財団主催のアートアワード、CAFAA賞2016年グランプリ受賞者の松下真理子による個展「人間の声」が開催されている(当初の会期終了日を12月18日まで延長)。本展協力はKEN NAKAHASHI。

 松下は1980年大阪府生まれ。2004年に京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業。CAFAA賞最優秀賞を受賞し、17年には、英ロンドンのデルフィナ財団のアーティストインレジデンスにも参加。国内だけでなく海外での活躍も期待されている。主な個展に「居住不可能として追放された土地」(KEN NAKAHASHI、東京、2020)、「愛の飾らぬことばにおいて」(銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM、東京、2020)、「IDO」(matchbaco、東京、2016)など。

 松下はこれまで、性愛や生きる痛み、自然や原我との対話、各地の死生観などをテーマとしてきた。絵画表現をはじめ、各地で集めた赤い布で窓を覆うインスタレーション「赤い部屋」や、ロンドンに生息するキツネを追う映像作品「Little Fox in London」、詩や立体、写真など、多岐にわたる方法で作品を制作している。

「人間とはどのようなものか」と絶えず私たちに問いかけ、肉薄する力強さを宿すそれらの作品は、人間の存在を追求し、歴史における死や痛みや絶望の影が忘れられていくことについて、社会の歪みについて、静かにそして強く抵抗している松下自身が投影されたものである。

 本展では、松下が2021年に制作したシリーズを発表。命や、社会の在り方について、様々な解釈や想像を導く貴重な機会となるだろう。