村田真が個展を開催中。
歴史的名画の上半分のみを
描いた新シリーズを発表
美術ジャーナリストであると同時に美術家としても活動する村田真の個展「上の空」が東京・西麻布のSNOW Contemporaryで開催されている。会期は8月11日まで。
村田真は1954年生まれの美術ジャーナリストであり画家。主な著書に『美術家になるには』(なるにはBOOKS、2002)、『アートのみかた artscape1999-2009』(BankART、2010)などがあり、BankARTスクールの校長としても活動する。
書き手としてよく知られている村田は、13年前より作家としての制作も再開。美術ジャーナリストの経験を生かし、これまで絵画史を引用した作品群を発表しつづけている。
高橋由一の《豆腐》を考察して描かれた「豆腐絵画」や、東京国立近代美術館におさめられている戦争画全153点を20分の1に縮小・模写した「プチ戦争画」シリーズなど、ユニークな視点で絵画を展開してきた。
現在、東京・西麻布のSNOW Contemporaryで開催されている個展「上の空」は、ヨハネス・フェルメールによる《デルフトの眺望》や、ウジェーヌ・ドラクロワの《ポワティエの戦い》などといった歴史的名画の上半分の空のみを描いた新作で構成される。
絵画の「上の空」部分は画面のおよそ半分を占めているにも関わらず、その部分のみでオリジナル作品が何かを判別することは困難である。
名画の上半分だけが描かれた絵画は、鑑賞者にオリジナルを判別しようとさせ、「