2020.12.7

アーティスト・イン・レジデンス「PARADISE AIR」が新規プログラムの公募をスタート。ゲスト審査員に藤原辰史

国内外問わずアーティストやキュレーター、リサーチャーなどを幅広く募集・招聘してきた千葉県松戸市のアーティスト・イン・レジデンス「PARADISE AIR」。9回目となるロングステイ・プログラムの詳細が発表された。

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 千葉県松戸市のアーティスト・イン・レジデンス「PARADISE AIR」では、国内外問わずアーティストやキュレーター、リサーチャーなどを幅広く募集・招聘。様々なテーマや公募内容でロングステイ・プログラムを行ってきた。

 9回目となる今回のプログラムの内容は、アーティストたちが松戸に滞在する時間のみに成果を求めるのではなく、松戸を訪れる前や滞在後も、アーティストたちが松戸に想いを馳せる瞬間を見守るというもの。

 募集人数は3名(組)程度で、遠隔および現地で松戸市との対話を楽しめるアーティストやキュレーター、リサーチャーが対象となる。支援内容には、PARADISE AIRのレジデンスルーム1部屋をはじめ、制作費や松戸までの往復1回分の交通費、そしてオンライン交流のサポート、作品発表などのための会場の手配、イベント等のコーディネートなどが含まれる。応募期間は12月25日まで。

 今回のゲスト審査員は、農業史研究者で京都大学人文科学研究所准教授の藤原辰史。PARADISE AIRの宮内芽依は、本プログラムを通じて「あなた」と並存する時間と場所をとらえるヒントになった本に、藤原による書籍『分解の哲学』(2019)を挙げている。

 このロングステイプログラムの内容を考えている時に、藤原辰史さん(農業史研究者、京都大学人文科学研究所准教授)による『分解の哲学』*という本を友人より勧められ読みました。第6章「修理の美学――つくろう、ほどく、ほどこす」の中で、「時(とき)」というのは、「解く(とく)」という字が変化してできているという説があることを知りました。それは「あなた」と「わたし」が共有している間に積み重なる時間のことではなく、「わたし」が「あなた」を想う時に、時間が解体されて、時が発生するという考え方です。  「時を解く」ことを意識してみることが今回のLONGSTAY Programを楽しむアイデアなのでは、と想像しここで共有させてもらいました。2021年の8月-11月あたりに直接、会えるかもしれないし、会えないかもしれない。行為の実現の約束が難しい今だけれども、PARADISE AIRではとりあえず時間と部屋を空けて、音楽でも聴きながら待ってみますね。  宮内芽依