三の丸尚蔵館が23年に新施設をオープン。管理運営は宮内庁から国立文化財機構に移管へ
三の丸尚蔵館が23年の新棟オープンに合わせて、管理運営を宮内庁から独立行政法人国立文化財機構へ、収蔵品管理を文化庁へと移管することがわかった。
皇室から国への美術品類寄贈を契機に、1992年に皇居東御苑内に開館した三の丸尚蔵館。現在は新施設への移行のため休館中の同館が、23年に管理運営を宮内庁から独立行政法人国立文化財機構へ、収蔵品管理を文化庁へと移管する方針が明らかになった。
2018年の「宮内庁三の丸尚蔵館収蔵品の保存・公開の在り方に関する有識者懇談会」。この会において、その貴重な美術品類の発信を充実させ国内外への公開を進めることや、調査研究と保存管理の一層の充実を図るという観点から、展示・収蔵スペースの確保や運営体制の強化等を図るべきとの提言が行われた三の丸尚蔵館。これを受けて、2020年より宮内庁が新施設の建設工事を開始し、26年の全館開館を目指している。
同館の工事期間中は、文化庁と連携し収蔵作品の国立博物館等での展示公開も積極的に行われており、現在開催中の東京藝術大学大学博物館の特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」(〜9月25日)もそのひとつだ。
このような文化庁との協力関係をより発展させ、また新施設の管理運営をより充実させるために、これまで宮内庁が管理し収蔵品の保存・公開にあたってきた同館の新たな方針が打ち出された。
まず、管理・運営は宮内庁から国立文化財機構へ移管され、同機構の主務大臣である文部科学大臣が、適切な管理・運営のための中期目標を指示することになる。 23年秋に第1期棟が開館予定のため、これに合わせて同年10月1日に移管される予定だ。
収蔵品に関しても、23年10月1日に宮内庁から文化庁に管理移管したうえで、文化庁から国立文化財機構に無償貸与。それを三の丸尚蔵館で一体的に受け入れるかたちとなる。
さらに施設についても、第Ⅰ期棟については、23年10月1日に、国から国立文化財機構へ出資。25年度完成予定の第Ⅱ期棟については、宮内庁にて工事を進め、完成後に、国から国立文化財機構へ追加出資するという。