バスキアの《The Guilt of Gold Teeth》がクリスティーズに出品。入札は約46億円から
ジャン=ミシェル・バスキアが22歳のときに制作した作品《The Guilt of Gold Teeth》(1982)が、11月9日にクリスティーズの21世紀美術イブニングセールに出品される。入札は4000万ドル(約46億円)からスタートする。
今年の現代アートマーケットにおいて最高の落札総額を記録しているジャン=ミシェル・バスキア。その22歳のときに制作された作品《The Guilt of Gold Teeth》(1982)が、11月9日にクリスティーズ・ニューヨークで開催される21世紀美術イブニングセールに出品される。
同作は、バスキアが1982年3月にイタリアのモデナを訪れた際に描いたもの。作品の中心人物は、ハイチ・ブードゥー教の精霊であり、亡き魂を「あの世」へと導くバロン・サムディとされている。サムディは死、酒宴、金庫番と密接に結びつく人物であり、生と死の間の仲介者を象徴している。
Artnet Newsによると、同作は現在の所有者が1998年のサザビーズにて38万7500ドル(約4400万円)で購入して以来、四半世紀近くにわたって同コレクションに収蔵されてきた。今回の入札は4000万ドル(約46億円)からスタートし、この価格で落札されれば当初の落札価格の100倍以上となる。
また、Artnetの価格データベースによると、パブリックオークションにおいて4000万ドル以上で落札されたバスキアの作品はわずか7点。最高額を記録したのは、前澤友作が2017年のサザビーズ・ニューヨークにて1億1000万ドル(約123億円)で購入した《Untitled》(1982)で、2番目は今年5月のクリスティーズ・ニューヨークにて9300万ドル(約101億円)で落札された《In This Case》(1983)だ。
クリスティーズのシニア・ヴァイス・プレジデント、シニア・スペシャリスト、21世紀美術イブニングセール担当のアナ・マリア・セリスは声明文で、同作は「バスキアのキャリアにおいて極めて重要な瞬間を表すものだ」と評価している。
オークションの開催に先立ち、同作はロサンゼルス(10月14日〜17日)と香港(10月25日〜26日)で巡回展示。その後、ニューヨークに戻り、10月30日〜11月9日に展示される予定となっている。