EXHIBITIONS

橋爪悠也「eyewater -everybody feels the same-」

2022.08.20 - 09.17

橋爪悠也「eyewater -everybody feels the same-」より

 橋爪悠也の個展「eyewater -everybody feels the same-」がYutaka Kikutake Galleryで開催。新作のペインティング作品7点を発表する(9月16日・17日は、人力顔面絵描販売機「ヘンナーベンダー」のみの展示)。

 橋爪は1983年岡山県生まれ、現在は東京を拠点に活動。独学で制作を始め、単色で彩られた地を背景に、一粒の涙が目から零れ落ちる瞬間を日本のアニメ的な描画方法によって描いた「eye water」シリーズで近年注目され、制作初期から一貫してその表現を深めてきた。

 橋爪は制作において、とくに高度経済成長期の頃に描かれたマンガの描写方法や、人々が様々な方法で想像していた、当時の未来の在り方を参照してきた。そして未来が技術的にも以前より見通しやすくなった現代で、「果たして誰も想像できないような未来は存在しているのか、あるとしたら、そこにはどのようなストーリーがありえるのか」を、涙を湛えた人物像を通じて問いかけている。

 少し横を向いた構図で描かれることが主だった「eyewater」シリーズ。しかし今回の新作では、人物は正面を向き、鑑賞者と向き合う構図を取っている。この新作群は、生命、争い、平和、自然環境などをテーマに、いまの時代において語り合わねばならないことをこれまでになく直接的に提示しているという。

 本展と同時期に、南青山のスパイラルガーデンでも個展「eyewater」(9月2日〜11日)が開催される。