遠藤文香「The belief in Spiritual Beings」

　NADiff a/p/a/r/tは、写真家・遠藤文香の個展「The belief in Spiritual Beings」を開催する。

　遠藤は1994年生まれ。2021年東京藝術大学美術学部デザイン科修了。現在は東京を拠点に活動し、自然と人間の関係性やアニミズム的自然観をテーマに写真作品を制作している。大学在学中より藝大デザイン賞を受賞し、大学院卒業・修了作品展で発表された「Kamuy Mosir」シリーズを展示した個展でとくに話題を集めた。続いてキヤノン写真新世紀2021に佳作入賞（オノデラユキ選）するなど、着実に評価を高めている。

　アニミズム的な自然観をテーマに写真を制作する遠藤の作品は、現実離れした自然や動物の色と構図が特徴だ。デジタル加工をすることで自然と人為の境界線を曖昧にしたアプローチが、異世界を見ているかのような印象的なイメージをつくり出す。

　遠藤は今回、主に北海道の「atsusa-nupuri（アトゥサ ヌプリ）」で撮影を行った。アトゥサ ヌプリとは、アイヌ語で熔岩や硫黄に覆われた火山を意味しており、本展では「Kamuy Mosir（アイヌ語で神々の宿る地の意味）」に続くシリーズを発表する。