EXHIBITIONS

刺繍する犬

無効化された音の装置

2017.12.23 - 2018.01.27

刺繍する犬 Protective coverall, noise(部分) 2017

刺繍する犬 Protective coverall, noise 2017

 かつて、女性を社会活動や政治活動から疎外するためにあてがったという説もある手仕事「刺繍」の技法をあえて用いることで、自身の美徳や力強さを表現する「刺繍する犬」。

 パソコンや電子機器の基板などをモチーフとし、一針、一針貫かれ転写される「刺繍する犬」の作品は、軽いといった形容詞が当てはまらず、素材の転換を通して、作家が体験した抑圧に対する抵抗を表現しているように感じられる。

 本展では、音響機器を分解し、内部に刺繍を施した作品などを展示。布や糸で包み音を遮断する行為で、目に見えない社会的抑圧への抵抗を示すと同時に、社会システムのなかで守られることのない声なき声を響かせる。