EXHIBITIONS

華めく洋食器

大倉陶園100年の歴史と文化

2019.06.08 - 07.28

一本のバラ プレート 1990 大倉陶園蔵

色蒔煙草セット 1926 大倉陶園蔵

緬羊 原型:沼田一雅 1942-45 大倉陶園蔵

赤坂迎賓館食器揃 1974 迎賓館赤坂離宮蔵

色蒔デミタス碗皿 1935-45 東京村田コレクション

奈良ホテル 貴賓用特別食器揃(満州国皇帝溥儀を迎えるに際し製作) 1935 奈良ホテル蔵

 大倉陶園は大倉孫兵衛、和親父子によって創設された日本を代表する洋食器メーカー。「良きが上にも良きものを」の理念のもと生産される磁器は、フランスのセーヴルやドイツのマイセンなどの名窯にも比肩すると高く評価され、世界に誇る作品を生み出してきた。

 大正期、高級洋食器が海外メーカーで占められていたことから、国産製品の生産を目指してはじまった大倉陶園。1924年の第11回農商務省工芸展覧会への出品を契機に、財閥など名家からの特別注文が入り、同展の出品作が皇后宮職御用品に拝命された。

 また、海外要人のもてなしを目的に創業された箱根・富士屋ホテル、奈良ホテルなどの老舗ホテルでも大倉陶園の食器が供され、各地の百貨店での販売会を通じて一般にも質の高い製品を提供して、日本の洋風文化の一翼を担ってきた。

 本展では、大倉陶園の草創期から現在までの作品を通じ、その優れたデザインや品質を紹介するとともに、日本の洋食器文化における役割を探るもの。最新の調査で発見された、創業当時など戦前の様子を伝える貴重な資料もあわせて展示される。

 会期中には、大倉陶園ペインターによる実演も公開。最高級の磁器を追求し続けてきた大倉陶園の世界を楽しみたい。