EXHIBITIONS

新創開館10周年記念 企画展

美しきいのち

日本・東洋の花鳥表現

2019.09.07 - 11.04

染付白鷺文皿 肥前 1枚 日本・江戸時代 17~18世紀 根津美術館蔵 山本正之氏寄贈

銭維城筆 秋草図巻(部分) 1巻 中国・清時代 18世紀 根津美術館蔵

伝李安忠筆 鶉図 1幅 国・南宋時代 12~13世紀 根津美術館蔵 国宝

伝牧𧮾筆 竹雀図 1幅 中国・元時代 13世紀 根津美術館蔵 重要文化財

 根津美術館の所蔵品を中心として、中国と日本における花鳥表現の展開をたどる展覧会が開催されている。

 色もかたちもとりどりの花や、艶やかな羽を持つ鳥は古くから東西を問わず賞玩の対象とされてきた。とくに中国を中心とした東アジアの絵画では、人物画や山水画と並んで、花や鳥を描く花鳥画が主要となった。

 花鳥画における「写生」は、対象を観察し、そのかたちや生態、生き生きとした様子を写し取ることを意味するもので、当時の画家たちは、美しい動植物をモチーフにその命の輝きを描きとどめることを試み、またときに異国や極楽のイメージを喚起する珍しい花や空想上の鳥を描いた。また花鳥は、外見的な特徴や性質、それを表す漢字の音などから富貴や長寿、吉祥の意が託され、絵画にとどまらず工芸意匠にもなった。

 本展では、花鳥画がジャンルとして成立する前の、古代中国の青銅鏡から、南宋以降の着色花鳥画と水墨花鳥画を経て、この双方を融合させた日本の狩野派、さらに明清時代の花鳥画の進退の作例、そして江戸後期の円山四条派や南画が達成した軽快な花鳥画作品を紹介する。

※絵画はすべて、前期(9月7日~10月6日)、後期(10月8日~11月4日)で展示替え、もしくは巻替え。鏡および陶磁は、全期間展示。