EXHIBITIONS

形の素

建仁寺塔頭 両足院
2019.10.27 - 11.09

『形の素』(美術出版社刊)より 撮影=鈴木静華

『形の素』(美術出版社刊)より 撮影=鈴木静華

『形の素』(美術出版社刊)より 撮影=鈴木静華

李朝祭器 朝鮮 木、漆 李朝時代(14~20世紀)

懐石皆具 木、漆 日本 明治時代

動物二種 唐銅に鍍金 中国 漢時代(2世紀頃)

コオロギ入れ容器 水晶 中国 清時代(18世紀)

狛犬 木 日本 江戸時代

磨製石器 石 日本 縄文時代

 塗師の赤木明登、陶芸家の内田鋼一、鍛金師の長谷川竹次郎が、長年にわたって蒐集してきた骨董の品々が、京都・両足院で一堂に展示される。

 赤木は1962年岡山県生まれ。中央大学文学部哲学科を卒業。編集者を経て、89年に輪島塗下地職人・岡本進に弟子入りし、94年に独立。現代の暮らしに息づく生活漆器「ぬりもの」の世界を切り拓く。主な著書に、『美しいもの』『美しいこと』『名前のない道』(新潮社)などがある。

 内田は69年愛知県生まれ。愛知県立瀬戸窯業高等学校陶芸専攻科修了後、東南アジアやオーストラリア、アフリカなど世界各地の窯場で修業を重ねた。92年に三重県四日市に窯場を構え、「無国籍」な作品を国内外で発表している。

 長谷川は50年生まれ。尾張徳川家の御用鍔(つば)師の家系、茶道具金工家・二代目長谷川一望斎の次男。人間国宝の関谷四郎に鍛金を学び、94年に長谷川家三代目・一望斎春洸を襲名した。著書に『父の有り難う』(主婦と生活社)がある。

 本展は、通常非公開の方丈・大書院・茶室で、つくり手たちが見てきた「かたち」を展示。歴史と精神の連続を記す禅寺の空間で、「かたち」が生まれる場所に迫る。