みえないものをみる

　今村遼佑、金田実生、小瀬村真美によるグループ展「みえないものをみる」がMA2 Galleryで開催。本展は、ドローイング、油彩、写真、そしてインスタレーションと、3人の独自の視点からの作品を通して、私たちに日常生活のなかにある、「みえていないこと」への気づきを促す。

　今村は、降り出した雨、通りすがりの花の香り、家にいながら聞こえる外の音など、何気ない些細なことを作品の素材にすることで、五感をシンプルな要素に還元させ、個人の記憶が他者の記憶に作用し共有されるような、個と社会の関係を繋ぐ作品を制作してきた。本展では、光、匂いなどを用いた作品を展示する。

　目には見えない人間の思いや感情、空の色や植物のささやきなど、日々感じる気配を繊細な筆遣いで描いてきた金田は、その美しい色彩の絵画で見る者に柔らかい優しさをもたらす。本展では、タブロー、ドローイングを中心に発表する。

　そして小瀬村は、古典絵画の構図などを利用した映像や写真、インスタレーションで絵画と映像の領域をまたぐような作品を表現。日常からの気づきによる作品は、時と空間を超えた不思議なゆらぎを与えてくれる。本展では、パンデミックの中心となったニューヨークで制作された新作4点が展示される。