EXHIBITIONS

大矢加奈子

TRACE OF TIME

2017.08.04 - 08.26
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大矢加奈子 Potted Plant 2017

 記憶や記録をテーマに絵画を制作する大矢加奈子の、約3年ぶりとなる個展が開催される。

 大矢は、暖色のグラデーションの中でモチーフのアウトラインを追いながら、一部は溶け出したような抽象的な描写を加える。それは、自分が得た記憶の曖昧さや、それを補うために存在するはずの記録の不安定さを象徴。それらを丁寧に紡ぎ合わせながら、新たなイメージをつくり出している。

 今回の新作展に際して作家は、次のようなコメントを寄せている。「私にとって描く行為は、記憶や記録、瞬間を残すと同時に、時間や空間に触れるための自己認識の場としてあります。今回の展示に際して、少女や植物は永遠を感じさせない存在の象徴としてモチーフの中心になりました。危うく壊れやすい世界の儚さと、それを描くことで留めることの間に私はリアリティを感じています」