チェン・ウェイ

　中国の新世代を代表する作家、チェン・ウェイ。静物画を思わせるようなコンポジション、まばゆいほどの光、寓話的なストーリーを含んだ特徴的な作品で新しい写真表現を切り開き、各国の観衆を魅了している。最近では、オーストラリアでの「The Club」（2017）や、中国・上海での「Chen Wei： In the Waves」（2015）などの個展を行った。

　オオタファインアーツでの2回目の個展となる本展では、前回で扱ったものとは違う素材をもとに、中国の社会やそのなかで生きる人への洞察から見いだした美を体現させた写真作品を展示。

　展覧会と同タイトルの《Fresh Dewdrop》は、タイルが剥がれた古びた街の歩道を映し出し、偶然にもタイルの剥がれた跡に落ちたオレンジ色の塗料が、暗闇に浮かぶ一筋の光のようにも、または何かを呑み込む入り口のようにも感じられる。

　そのほかに、LED掲示板の上でダンスのように光の波が映し出される立体作品も並ぶ。