夏休みは美術館へ! ドラえもんから絵本ミュージアムまで、注目の展覧会をピックアップ【大人も子供も楽しめる編(2)】
夏休みはアウトドアや芸術祭だけではなく、美術館へ展覧会を見に行くのも楽しみのひとつ。日本各地で開催されている展覧会のなかから、編集部が注目する展覧会を地域ごとにピックアップ! 第5弾は子供も大人も一緒に楽しめる展覧会に注目し、首都圏以外の展覧会を紹介する。
わくわくを生み出す「共同性」のかたち。「わくわくなおもわく」(はじまりの美術館)
2014年、築140年の酒蔵を改修して誕生した福島・はじまりの美術館では、「共同性」をテーマとした展覧会「わくわくなおもわく」が開催されている。参加作家は悪魔のしるし、折元立身、鎌江一美、Q&XL(NPO法人スウィング)、小山田徹+香月、橋本克己、藤井真希子+橋本吉幸、宮田篤の8組。
展示作品は、演劇などを企画・上演する集団「悪魔のしるし」によるパフォーマンス「搬入プロジェクト」の記録映像や、アルツハイマーを患う実母の介護を通して生まれた折元の「アート・ママ」シリーズ、重複障害である橋本が介助者とのコミュニケーションを元に描く絵日記など。人と人の関係性によって、様々な「おもわく」がかたちを得た作品群が並ぶ。加えて体験型の作品もあり、大人も子供も楽しめる内容となっている。
会期:2019年7月27日~11月10日
会場:はじまりの美術館
住所:福島県耶麻郡猪苗代町新町4873
電話番号:0242-62-3454
開館時間:10:00~18:00(8月16日、23日、30日〜20:00)
休館日:火
料金:一般 500円 / 65歳以上 250円 / 高校生以下・障がい者手帳をお持ちの方および付添いの方(1名まで)無料
井上涼の展覧会が今年も開催。「びじゅチューン!×TAD なりきり美術館」(富山県美術館)、「特別展 井上涼展 夏休み!BYOBUびじゅチュ館」(MOA美術館)
世界の「びじゅつ」を歌とアニメで紹介するNHK Eテレの人気番組『びじゅチューン!』。同番組を手がける井上涼による展覧会が、今年は富山県美術館と静岡・熱海のMOA美術館で開催される。
富山県美術館の「びじゅチューン!×TAD なりきり美術館」は、同時期開催の企画展「日本の美 美術×デザイン―琳派、浮世絵版画から現代へ―」に葛飾北斎《冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏》と、歌川広重《名所江戸百景・大はしあたけの夕立》が出展されることにちなんで開催されるもの。
いっぽうMOA美術館の「特別展 井上涼展 夏休み!BYOBUびじゅチュ館」では新作の映像インスタレーションに加え、同館が所蔵する尾形光琳《紅白梅図屏風》をモチーフとした新作も登場する。
「びじゅチューン!×TAD なりきり美術館」
会期:2019年8月10日~10月20日
会場:富山県美術館
住所:富山県富山市木場町3-20
電話番号:076-431-2711
開館時間:9:30~18:00
休館日:水、祝翌日(ただし8月12〜14日、9月4日、10月16日は開館)※9月19、20日は館内整備のためコレクション展のみ開館
料金:無料
「特別展 井上涼展 夏休み!BYOBUびじゅチュ館」
会期:2019年7月20日~8月27日
会場:MOA美術館
住所:静岡県熱海市桃山町26-2
電話番号:0557-84-2511
開館時間:9:30~16:30
休館日:木(ただし8月15日は開館)
料金:一般 1600円 / 65歳以上 1400円 / 高校・大学生 1000円 / 小・中学生 無料
仏教美術に見る動物のかたち。「いのりの世界のどうぶつえん」(奈良国立博物館)
奈良国立博物館では、数々の仏教美術のなかから動物や想像上の生き物が登場する作品を紹介する展覧会「いのりの世界のどうぶつえん」が開催中だ。
本展では古墳時代の《犬型埴輪》から、獅子や象に乗った釈迦如来などを描いた重要文化財《釈迦三尊像》、そして国宝《辟邪絵 栴檀乾闥婆・神虫・毘沙門天》などを展示。「なぜ動物たちは仏や神の世界に盛んに登場するのか?」に迫るとともに、日本で仏教美術が本格的に生み出される以前の、暮らしのなかの祈りに関わる動物造形もあわせて紹介する。
会期:2019年7月13日~9月8日
会場:奈良国立博物館
住所:奈良市登大路町50
電話番号:050-5542-8600
開館時間:9:30~18:00(金土〜20:00、8月5~8日、11~15日 19:00、8月9・10日 〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし8月5日、12日は開館)
料金:一般 520円 / 大学生 260円 / 高校生以下・18歳未満・満70歳以上無料
28組のアーティストとドラえもんの出会い。「THE ドラえもん展 OSAKA 2019」(大阪文化館・天保山)
2017年、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催され話題を呼んだ「THE ドラえもん展」。この夏、本展が大阪に巡回し「THE ドラえもん展 OSAKA 2019」として開催される。
国内外で活躍するアーティストに「あなたのドラえもんをつくってください。」と呼びかけ、実現した本展。小谷元彦、鴻池朋子、佐藤雅晴、しりあがり寿、奈良美智、西尾康之、蜷川実花、Mr.、村上隆、森村泰昌+コイケジュンコ、山口晃など28組のアーティストが参加する。
増田セバスチャンによる巨大なぬいぐるみ《最後のウエポン》や、森村泰昌とデザイナー・コイケジュンコのコラボレーションなど、魅力的な作品が盛りだくさんの本展。子供だけでなく、ドラえもんに親しんできた大人も楽しめる内容となっている。
会期:2019年7月12日~9月23日
会場:大阪文化館・天保山(海遊館となり)
住所:大阪府大阪市港区海岸通1-5-10
電話番号:050-5542-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1500円 / 中学・高校生 1200円 / 小学生以下〜4歳 800円
絵本の世界に入り込もう。「おいでよ!絵本ミュージアム2019」(福岡アジア美術館)
2007年から夏休み期間のイベントとして「おいでよ!絵本ミュージアム」を開催してきた福岡アジア美術館。13回目となる今年は、絵本を構成する重要な要素である「いろ・かたち・ものがたり」に着目し、五感で楽しめる絵本の世界を展開する。
本展の会場構成はトラフ建築設計事務所が手がけ、インタラクティブ作品の制作をベースに活動するプラプラックスとのコラボレーションにより、絵本の世界をより深く体験できるデジタルコンテンツも展示。そのほかにも約1000冊の絵本を自由に手にとって読むことができるほか、ワークショップや絵本の読み聞かせも実施される。
会期:2019年7月18日~8月18日
会場:福岡アジア美術館
住所:福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7階
電話番号:092-263-1100
開館時間:9:30~17:30 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1000円 / 高校・大学生 700円 / 小・中学生 500円 / 未就学児無料
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そのほかにも、北海道立旭川美術館ではからくり人形を集めた「ブリティッシュ・オートマタ展」(~9月1日)、金沢21世紀美術館では「チームラボ 永遠の海に浮かぶ無常の花」(8月9日~9月1日)、福岡・三菱地所アルティアムではコスチューム・アーティストとしての仕事を展観するひびのこづえ展「みる・きる・つくる」(~8月25日)が開催。気になる展覧会は、早めのチェックをおすすめしたい。