コロナ危機から文化の場を守ろう。アート系クラウドファンディングまとめ
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請の影響で、全国のアートスペースや映画館、ライブハウス、クラブが苦境に立たされている。こうした場所を存続させるためのクラウドファンディングが、現在多数募集中だ。
アート
ANAGRA
2013年、東京・半蔵門にオープンしたANAGRAは、ギャラリーやライブハウス、クラブ、劇場にもなる多目的なスペース。このままだと最短で6月には閉店しなければならない状況だといい、支援を募集している。リターンにはオリジナルグッズに加え、BIENやオートモアイといったアーティストによるアートワークを使用したTシャツ、ポスターも。
河岸ホテル
昨年京都にオープンした「河岸ホテル」は、ホテルの客室に加え、若手アーティストのスタジオ・ギャラリー、飲食店が併設する複合施設。団体予約や長期滞在のキャンセルが相次ぎ、損失補填のために支援を募集中だ。また支援金の一部は、ホテル内を拠点とした会員制サロンの立ち上げにも使用される。
喫茶野ざらし
そのほかにも、東京・吾妻橋に文化交流拠点として今年1月にオープンした「喫茶野ざらし」は、2階部分をシェアアトリエ・イベントスペースとするための改装費を募集中。
前田珈琲×tower(KITCHEN)
京都芸術センター内に位置する「前田珈琲」明倫店は、店内のキッチンを彫刻家・金氏徹平による作品《tower(KITCHEN)》につくり変えるプロジェクトを計画している。
国立工芸館 石川移転開館記念事業「12人の工芸・美術作家による新作制作プロジェクト」
独立行政法人 国立美術館は、クラウドファンディングの第2弾として、国立工芸館の金沢移転にともなう開館記念事業として、12人の工芸・美術作家による新作制作プロジェクトを実施中だ。
映画
下高井戸シネマ
東京・下高井戸に約60年続く映画館「下高井戸シネマ」では、新たに会員に加入、または支援に申し込むことで、様々な特典を受けることができるプロジェクトを実施中。
Save our local cinemas
「Save our local cinemas」は、京都・大阪・神戸のミニシアターが連名で立ち上げたキャンペーンサイト。Tシャツの販売に加え、1口1000円または1万円の支援を募っている。参加劇場は京都みなみ会館、シネ・ヌーヴォ、元町映画館、神戸映画資料館、出町座、宝塚シネ・ピピア、豊岡劇場、パルシネマしんこうえん、第七藝術劇場、シアターセブン、京都シネマ、福知山シネマ、舞鶴八千代館の13館。
Mini Theater AID
映画監督の深田晃司と濱口竜介が発起人となり、ミニシアターを支援するためのクラウドファンディング「Mini Theater AID」を立ち上げ。現在Twitterでふたりによるステイトメントが公開されており、ウェブサイトは4月中旬に公開される予定だ。
#SaveTheCinema「ミニシアターを救え!」プロジェクト
クラウドファンディング以外では、井浦新や安藤サクラ、柄本明、是枝裕和、塚本晋也らが呼びかけ人となり、大きな打撃を受けているミニシアターなどへの緊急支援を政府に求める署名キャンペーン#SaveTheCinema「ミニシアターを救え!」プロジェクトをchange.orgでスタートした。
音楽
UNIT主催支援プロジェクト:アーティストのキャンセル料負担0円に
代官山のライブハウス「UNIT」は、アーティストのキャンセル料負担を0円にするためのプロジェクトを立ち上げ。通常は会場と出演者側が半々で負担する会場キャンセル料。この出演者側の負担分を、支援金で補填するというものだ。
CLUB METRO
1990年、京都にオープンした老舗クラブ「CLUB METRO」は、4月いっぱいの営業をすべて自粛。ほとんどの収入が断たれたなか、存続のための支援を募集している。
また東京では、青山のクラブ「青山蜂」と表参道「VENT」、京都では「WORLD KYOTO」もそれぞれクラウドファンディングを募集中だ。
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このほかにもCAMPFIRE、READYFOR、MOTION GALLERYといったクラウドファンディングサイトでは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者をサポートする様々な取り組みを実施。アーティストやイベント主催者、飲食店、宿泊施設などの支援プロジェクトを見ることができる。