テート・モダンで学ぶ、アートと色の関係
アート作品で使われる色とは、何を表現しているのか。また、見る者に色はどのような影響を与えるのか。そして、色は概念になりうるのか。世界でもっとも多くの人が訪れる現代美術館のひとつ、ロンドンのテート・モダンに常設されている作品から、アートと色の関係を考える。
![](https://bt.imgix.net/magazine/25679/main/1654741789710_6f5998863e9fbbd41f581dfb5309c431.jpg?auto=format&fm=jpg&w=1472&h=828&fit=clip&rect=0,0,3000,1687&v=22)
私たちの日常は色であふれていて、色がどのように見えるかは人それぞれ。視力によって変わるだろうし、そのときの気分や、生まれ育ったカルチャーなどによっても異なってくる。テート・モダンに常設されている作品を通じて、芸術家たちが色というものをどのように駆使して、彼らの思いを作品に落とし込んだかを紐解いていく。
フォーヴィスムに見る、感情や感覚を表すものとしての色
20世紀初頭の絵画運動のひとつ、フォーヴィスム(野獣派)では、それまで目に見えるものを再現するために使われていた色に対して、色そのものが持つ表現力を追求して解放するという色彩の改革を行った。