「空虚に肉体を与えるようなものを集める」。伝説のデザイナー、アクセル・フェルフォールドが語る美意識
日本の美学を重要なインスピレーション源とし、インテリアデザイナー、アンティークディーラー、アートコレクターなど様々な肩書を持って名声を博すアクセル・フェルフォールド。デザイン、ギャラリー、骨董品など多岐にわたって展開されている事業や、日本のアートと哲学に対する思いなどについてフェルフォールドにメールインタビューを行った。
ベルギー出身でインテリアデザイナー、アンティークディーラー、アートコレクターとして名声を博すアクセル・フェルフォールド。カニエ・ウェストとキム・カーダシアンのミニマルな家の内装をはじめ、王族、セレブリティ、アーティストなど多くのクライアントのために、インテリアデザインやホームコレクションなど多岐にわたる事業を行っている。
「侘び寂び」など日本の美学を重要なインスピレーションの源とし、またアントワープと香港にあるギャラリーでは日本の前衛美術団体「具体美術協会」の作家たちを積極的に紹介しているフェルフォールドに、その事業内容や日本の美意識の受け入れなどについて話を聞いた。
──アクセルさんは長年かけてご自身のスタイルを確立させたことをお見受けします。異なる文化、国、そして時代を超越した「タイムレス」な環境を、アートそしてインテリアデザインを通して創造しています。アートコレクター、アンティークディーラー、インテリアデザイナーなど様々な肩書がありますが、そこにいたるまでのご自身の経歴を教えていただけますか?
アクセル・フェルフォールド(以下、アクセル) 私は美術品やアンティークのディーラーとしてキャリアをスタートさせました。幼い頃から父のイギリス出張についていき、美しい銀器や素敵なアンティーク家具を見て回るのが大好きでした。イギリスのお城や邸宅のシャビーシックな雰囲気に惚れ惚れします。美しいものや芸術を愛する気持ちは、古い家が好きな母から受け継いだもので、アントワープの大聖堂近くの細い通り「ブラーイケンスハング(Vlaeykensgang)」を購入し、修復することを勧められました。幸運にも、妻となったメイと出会うことができ、彼女は、色やファブリックのマッチングに素晴らしい才能を発揮してくれました。そして、アントワープのブラーイケンスハングにある自宅を、アートやアンティークを愛する人たちが作品を選べる居心地のよい場所に変身させたのです。
──アクセル・フェルフォールド・カンパニーの現在の事業(インテリアデザイン、ギャラリー、骨董品、不動産など)について、いくつかご紹介いただけますか? これらの異なる事業はどのように交差し、また互いにどのように影響していますか?
アクセル アクセル・フェルフォールド・カンパニーには、アートとアンティーク、ホームコレクション、インテリアデザインという3つの中核的な活動があります。会社のコアバリューは、「品質」「耐久性」「調和」です。
我社のコアビジネスであるアート&アンティーク部門は着実に成長し、長年にわたり、インテリアや保存に関するコンサルティングサービス、ホームコレクション部門を補完する役割を担ってきました。この空白を埋めるために、洗練されたデザインと卓越したクラフトマンシップを特徴とする家具やアクセサリーのラインが生まれました。
本質的な部分は、これらの専門技術がすべて織り込まれていることであり、チームの各メンバーは、美の共有と品質の提供によって、クライアントに特別で包括的なサービスを提供するという同じ目標に取り組んでいます。そして、人々の生活や環境が、穏やかで平和な、調和のとれたものになることを保証するのです。
──アクセル・フェルフォールド・ギャラリーは具体美術協会の作家を取り扱っていますが、アクセルさんと具体作家の出会いを教えてください。