「あいちトリエンナーレ」、2022年から名称変更へ。仮称「新・国際芸術祭」でイメージ一新狙う
愛知県の大村秀章知事は、次回の「あいちトリエンナーレ」について、その名称を仮称「新・国際芸術祭」とする方針を明らかにした。
2010年から開催を重ねてきた「あいちトリエンナーレ」が、次回から名称を仮称「新・国際芸術祭」に変更する方針であることがわかった。
あいちトリエンナーレ(以下、あいトリ)は、3年に1度の周期で開催される、愛知県を主体とした国際芸術展。10年の「都市の祝祭 Arts and Cities」(芸術監督:建畠晢)以降、13年の「揺れる大地―われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」(芸術監督:五十嵐太郎)、16年の「虹のキャラバンサライ 創造する人間の旅」(芸術監督:港千尋)、そして19年の「情の時代」(芸術監督:津田大介)と回数を重ね、日本を代表する国際展としての地位を確立してきた。
しかしながら、昨年のあいトリ2019では「表現の不自由展・その後」の展示が中止(のちに再開)され、様々な議論が巻き起こった。現在も開催負担金約3400万円の支払いをめぐり、県実行委員会が名古屋市を提訴するなど、事態は完全に収束しているわけではない。
こうしたことを受け、22年のあいトリからは、これまでの県知事がトップを務める実行委員会方式から体制を変更。「あいちトリエンナーレ組織委員会(仮)」を軸に運営される予定で、すでに組織委員会会長候補には大林組会長・大林剛郎が選定されている。
朝日新聞や中日新聞の報道によると、今回の名称変更はあいトリの「イメージ一新」を狙ったものであり、変更後の名称は公募も検討されているという。
名称変更に関連し、愛知県は6月の補正予算案において開催準備費に2000万円を計上。今年度中に組織委員会等を設立し、芸術監督の就任やテーマ・コンセプト、企画体制、会場の等決定までを行う予定だ。
大村知事は、「県議会の皆様はじめ様々な方々と十分に意見交換を行いながら、『新・国際芸術祭(仮称)』の開催に向けて、しっかりと準備を進めて参りたいと考えております」とのコメントを発表している。