ウクライナのアーティストや文化遺産を支援。ヘレン・フランケンサーラー財団が250万ドルの助成金を拠出
ニューヨークのヘレン・フランケンサーラー財団が、ウクライナのアーティストや文化遺産を保護するために250万ドルの助成金を拠出。非営利組織「PEN America」と「World Monuments Fund」を通して危機に瀕している個人や遺産を支援する。
ウクライナ戦争で危険にさらされているアーティストや文化遺産を保護するため、ニューヨークのヘレン・フランケンサーラー財団が250万ドルの助成金を拠出することがわかった。
ARTnewsによると、助成金は非営利組織「PEN America」と「World Monuments Fund」に寄付されるという。
PEN Americaに授与される約200万ドルは、3年間にわたり2つのプログラムに使用予定。ひとつは、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアで危機に瀕したビジュアルアーティストのための緊急・復興資金で、基本的なニーズを満たすほか、ネットワークの構築や実用的リソースの提供など、アーティストへのキャリア支援も含まれている。もうひとつは、「アーティスト・アット・リスク・コネクション(ARC)」で、戦争によって生命や創作活動が脅かされている世界中のアーティストを支援する。
いっぽう、World Monuments Fundに寄付される50万ドルは、文化遺産の記録と保存に特化した「Ukraine Heritage Response Fund」の立ち上げに充てられる予定。この基金を通じて、保存修復プロジェクトに携わる文化専門家が直接資金援助を受けることができる。
ヘレン・フランケンサーラー財団の理事長であるリセ・マザーウェルは、「私たちの使命は、ビジュアルアートに対する一般の人々の関心と理解を深めること。この時代のニーズに応えることなしに、この使命を果たすことは不可能だ」とし、「芸術と芸術家が紛争や危機に巻き込まれるなか、世界中で脅かされている芸術の自由と文化遺産の両方を保護することが不可欠だ」との声明を出している。