バンクシーの油彩3点組、予想を大きく上回る3億円で落札。収益はベツレヘムの病院に寄付
7月28日にロンドンのサザビーズで開催されたイブニング・セール「Rembrandt to Richter」にて、バンクシーの出品作が予想落札価格を大幅に上回る約3億円で落札された。
7月28日、ロンドンのサザビーズで行われたオークションで、バンクシーの作品が出品。予想を大きく上回る223万5000ポンド(約3億円)で落札された。
この作品はバンクシーによって出品された3点組の油彩画で、当初はバンクシーが17年にパレスチナのベツレヘムにオープンした「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」のために制作したもの。バンクシーはこの作品に手を施し、オークションに出品した。
同作では、ロマン主義風の景色のなかにオレンジ色の救命胴衣や浮き袋が描かれており、地中海を渡るなかで溺れた多くの難民を象徴している。
当初、予想落札価格は80万〜120万ポンド(約1.09億〜1.63億円)だったが、結果はこの3倍。オークション開始前から、得られた収益はベツレヘムのBASR病院に新しい急性脳卒中治療ユニットの建設や子供のリハビリ機器の購入資金として寄付されることが明らかになっており、今回の落札価格には、このことも影響したのかもしれない。
なおサザビーズ・ロンドンでは、2018年10月のセールにおいて、バンクシーの《Girl With Balloon》が100万ポンド(約1.5億円)での落札が告げられると同時に、額縁に内蔵された装置で作品が切り刻まれるという「事件」が起こり、大きな注目を集めた。