滲み、ぼかし、根底にある「日本人」というアイデンティティ。nomocoの個展がYUKIKOMIZUTANIで開催へ
東京・天王洲のギャラリーYUKIKOMIZUTANIでnomocoの個展「Organising Chaos」が開催。ロンドンで培った色彩感覚と日本人として持ち合わせた美的感覚が生み出す、数々の作品と癒しの空間が展開される。会期は10月21日〜11月11日。
東京・天王洲のギャラリーYUKIKOMIZUTANIでnomocoの個展「Organising Chaos」が開催される。会期は10月21日〜11月11日。
nomocoは福岡県出身。ロンドンのセントラル・セント・マーティンズ修士課程を修了後、イラストレーターとして活動。これまでロンドン、ミラノ、メキシコシティ、ニューヨークなどで個展・グループ展を行ってきた。
約15年という長い時間をロンドンで過ごしてきた作家。その作品の特徴は、東洋人、日本人としてのアイデンティティが反映された滲みやぼかしの表現にあると言えるだろう。普段は自然や音から受けたインスピレーションを作品に落とし込んでいるが、今回の展覧会ではnomoco自身のなかにある「chaos」にフォーカスしている。個展のタイトルでもある「Chaos」には、西洋文化の影響を受けつつも、日本でのライフスタイルに戸惑うその潜在意識のようなものが表れているという。
窮屈で混沌とした状態を整理するような感覚、コントロールできないものをコントロールしようとする感覚。そして、間違いや偶然から生まれる発見と、絵のなかに飛び込むようなトランス状態、そのなかに生まれるセラピューティックな色とかたち。これらの様々な感覚が、インクの動きを用いることで作品内に落とし込まれている。
ロンドンで培った色彩感覚と日本人として持ち合わせた美的感覚。その双方が作用し生み出された作品と、癒しあふれる空間をぜひ味わってみてはいかがだろうか。