アートコレクターが語るNFTアート。NFTマーケットプレイスが広げるアーティスト支援の可能性

クリエイターやアーティストによるNFT作品をクレジットカードや暗号資産で購入できるNFTマーケットプレイス。アートコレクター・マツノヒロユキにNFTマーケットプレイスでNFT作品を購入してもらい、その特長や魅力を語ってもらった。(PR)

聞き手・構成=安原真広(ウェブ版「美術手帖」編集部)

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 NFTアートをクレジットカードや暗号資産(仮想通貨)で購入できる、GMOインターネットグループが運営するNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」。有名クリエイターや新進の美術家も出品している本マーケットプレイスで、アートコレクターのマツノヒロユキが作品を購入。その体験の感想や、コレクターにとってのNFTについて、話を聞いた。

アートコレクターが見た「Adam byGMO」

 仙台市在住のアートコレクター・マツノヒロユキ。住宅関連の会社を経営しながら、ストリート・アートや美人画、彫刻、映像作品などの多彩なジャンルを収集しており、現在は300点近くの作品をコレクションしている。

マツノヒロユキのコレクションより

 松山智一、KYNE、ロッカクアヤコ、丁子紅子といったアートコレクターのあいだで高い人気を誇るアーティストから、磯村暖、AKI INOMATA、平子雄一といった中堅の高く評価される作家まで、幅広い作風の作品を所有するマツノ。しかし、まだNFT作品は1点しか所有していない。

 「初めて購入したNFT作品はエキソニモの《Crypto Poetry #4》(2021)です。インターネット・アートの第一世代とされる彼らのこの作品は、無限に繰り返されるQRコードを読み込むことで、詩が表れるというもの。ただ、本作は実態としてQRコードを表示するモニターも付属しているので、完全なるNFT作品についてはまだ購入したことがないんです」。

マツノヒロユキのコレクションより、エキソニモ《Crypto Poetry #4》(2021)

 NFT作品に興味はあるが、最初の購入の糸口をなかなか見いだせないでいたマツノに、今回はNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」を見てもらった。

 「正直、あまりに多くの作品が出品されているので、ちょっと混乱してしまいますね(笑)。私自身、そんなにウェブを使うのが得意ではないので、ちょっと不安はあります」と語りながら、ウェブサイトに表示された作品をチェックしていくマツノ。そのマツノの目に止まったのがアーティスト・西川美穂の作品だった。

「Adam byGMO」ウェブサイト、西川美穂のショップページ

 「西川さんは又吉直樹『火花』(文藝春秋社)の表紙でも注目された作家です。以前から気になっていた作家で、実作品も拝見して惹かれていたのですが、こうしてNFT作品を出していることは知りませんでした。思わぬ出会いです」。

 出品されている西川の作品3点のうち、1点はすでに販売済み。マツノは残り2点のうちのひとつ《まくらちゃん(赤い服)》が気になったという。「西川さんの作品は、やはり顔をモチーフにしたものに強いインパクトが宿りますよね。この作品も、いろいろな想像をめぐらせたくなる顔が印象的で惹かれました」。

西川美穂 まくらちゃん(赤い服)

 マツノには、普段から使い慣れている自身のスマートフォンで本作をクレジットカードで購入してもらった。

 「これは本当に簡単ですね! NFTは仮想通貨の単位やブロックチェーンなど、かなり専門的な知識を必要とするイメージでしたが、『Adam byGMO』は一般的な通販サイトのように、クレジットカード情報を入力するだけでこんなに簡単に購入できるんですね」。

スマートフォンで作品を購入するマツノヒロユキ

 作品を購入した後、ウェブサイト上の作品ページには保有者であるマツノの名前が表示された。作品の保有権を売買するというNFTでは、このように自身の保有権を広く可視化することができる。

作家を支援するためにも有効なNFT

 購入後、マツノが注目したのは画面上に表示されたロイヤリティだ。作家にどれだけのロイヤリティが入るのかが明示されているのも「Adam byGMO」の特長といえるだろう。

 「私がコレクターの精神として大事にしているのが、商品として作品を購入するのではなく、購入という行為を通して作家を支援するという心構えです。例えば、私は磯村暖やAKI INOMATAを生涯支援していきたいと思って作品を購入していますし、私の死後は作品をすべて無償で美術館などに寄付しようと思っています。商品の購入と違って、美術作品を購入するという行為は、その価値を後世に引き継いでいくということではないでしょうか。『Adam by GMO』も、作家へのロイヤリティの数値が可視化されているという点がとくに良いと思います」。

マツノヒロユキのコレクションより、磯村暖の作品

 これまで、映像やパフォーマンスアートといった分野の作品は、物質としての形態を持たないために、コレクターに販売することが難しいとされてきた。しかしながらNFTであれば、作品データやコンセプトそのものを販売しやすくなる。マツノのようなアーティストの支援の一環として作品を購入するコレクターにとっても、より使いやすい形態といえるのではないだろうか。

マツノヒロユキのコレクションより、AKI INOMATAの作品

 また、マツノは地方でアートをコレクションをすることの悩みについても語ってくれた。

 「私は仙台に住んでいるのですが、地方在住でアートをコレクションするうえでのデメリットはことあるごとに感じていました。現代美術の主要ギャラリーの多くは東京や大阪といった都市部に集まっていて、展覧会を見てギャラリストやアーティストと話すには距離的なハードルがあります。また、実際にギャラリーを訪れて関係性を構築するまでは、電話やメールでの問い合わせのみでは作品を売ってもらえないこともあります。インターネットやSNS経由で作品の売買ができるようになったいま、こうした地方に在住しながらコレクションをすることのハードルはかなり下がりました。今回、『Adam byGMO』を初めて使ってみましたが、こうして新たな作品と出会えましたし、じつにスムーズに作品が購入できました。このようなプラットフォームが、地方在住の新たなコレクターにとって作品購入のハードルを下げる役割を担ってくれればと思っております」。

マツノヒロユキのコレクションより

 取材の終わり、マツノに事務所の外へと案内してもらうと、そこにはアーティストのLyによって描かれた巨大な壁画があった。「コミッションワークによって描いてもらった作品です。事務所の外は公園に面していて、よく子どもたちが遊んでいるので、ここを訪れた親子に少しでもアートに親しんでもらいたいと描いてもらったんです。アート作品に取り憑かれてコレクターになってしまったわけですが、同時にアートは人生に大きな価値をくれました。今回のNFT作品の購入もそうですが、様々な角度からアーティストを支援しつつ、アートのおもしろさを広く共有できればいいですね」。

マツノヒロユキの事務所外壁、Lyの作品

  アーティストやクリエイターが作品を発表し、コレクターがそれを購入して支援することができる『Adam byGMO』。ウェブサービスならではの使いやすさと日本円で購入できる気軽さは、これからコレクションを始めようとする人にも、新たにNFT作品を集めようとする人にも、魅力的な選択肢となるのではないだろうか。