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四谷シモン
Shimon Yotsuya
四谷シモンは1944年東京都生まれ。タンゴの楽師である父、ダンサーの母という芸能一家で育ち、小学生の頃から人形をつくり始める。10代半ばで人形作家・川崎プッペを訪ね、17歳の時に一時、ぬいぐるみ人形作家・水上雄次の内弟子になる。歌手のニーナ・シモンが好きだったことから「シモン」の渾名がつく。65年、雑誌『新婦人』に掲載されていた、澁澤龍彦の紹介によるハンス・ベルメールの球体関節人形を見て衝撃を受け、それまでの人形制作方法を捨てる。人形とは「人のかたち」であり関節で動くもの、人形とは人形そのものであると悟り、以後、独学で球体関節人形の制作を始め、新しい人形表現の地平を切り拓いた。67年、唐十郎の状況劇場の芝居『ジョン・シルバー新宿恋しや夜鳴篇』に女形として出演。68年3〜6月にかけて、状況劇場の紅テントの芝居『由井正雪』に「的場のお銀」役で出演する。この時から「四谷シモン」の芸名を使う。71年まで状況劇場の役者として活動。現在は日本における球体関節人形の第一人者として、国内のみならず海外からも高く評価されている。