アンス・アルトゥング展

　ペロタン東京は、アンス・アルトゥング（1904〜1989）による絵画とインク作品、計20点を取り上げた個展を開催する。本展協力はアンス・アルトゥング財団。

　アルトゥングは、フランスで活動したドイツ出身の画家であり、アンフォルメルを代表する主要人物として知られている。

　日本においては、戦後に抽象絵画、抽象表現の先駆者として紹介され、1951年に東京で開催された「サロン・ド・メ」では、絵画《T1948-16》がセンセーションを巻き起こした。本作はその後、大原美術館（岡山県倉敷市）に収蔵され、西洋近代美術の巨匠たちの作品と肩を並べることとなった。

　またアルトゥングは、1953年には雑誌『みづゑ』のインタビューで「印象派、フォーヴィスム、キュビスムがジャンルであるいっぽうで、抽象は解放である」と宣言。色、かたち、流動性、連続性と、アルトゥングの表現法は独特であり、こうした革新的なプラクティスは日本の若手画家、美術評論家たちを触発し、当時の日本各地のグループ展でその絵画が定期的に紹介された。

　本展では、1989年に逝去したアルトゥングの作品が、2019年のパリでの大規模回顧展や、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでの近年の個展を経て、日本に再上陸する。