EXHIBITIONS

ヨアキム・オジャネン「We've danced for a while now and I'm slowly learning your steps.」

2022.09.17 - 10.23

©︎ Joakim Ojanen Courtesy of NANZUKA

 NANZUKA UNDERGROUNDはスウェーデン人アーティスト、ヨアキム・オジャネンによる日本初個展「We've danced for a while now and I'm slowly learning your steps.」を開催。

 NANZUKA 2Gでの個展「Human History」(会期未定)および3110NZ by LDH kitchenでの「How to get friends」展(〜10月8日)との同時期開催となる。

 オジャネンは1985年スウェーデン・ヴェステロース生まれ。2012年にコンストファック美術大学工芸デザイン学部で学士号を取得し、14年に同大学院でMFAを取得した。以来、ストックホルムからロサンゼルス、ケルン、パリ、エディンバラ、アントワープ、ニューヨークと幅広く個展を開催。昨年はオジャネンの故郷であるストックホルム郊外の「Västerås konstmuseum」にて大規模個展を開催した。

 オジャネンの作品のモチーフの多くは、自身が育ったスウェーデンの故郷や生活環境に基づいている。彫刻や絵画に見られる生々しい質感や表情豊かなキャラクター、それらを組み合わせた独特の色彩感覚など、一見子供の創作物のように無垢に見える独自の表現に、作家の深い感性がダイレクトに反映されている。

 またオジャネンは即興性を重要視する。自らの自由な創造性や予想不可能な偶発性を優先して制作される作品は、シュールで、おどろおどろしく、またどこか馴染みやすい愛嬌を持ったキャラクターとして、鑑賞者と絶妙な関係性を築き上げる。

 ドローイングについては、北欧ルネサンスの画家にも象徴されるよう細密さを備えており、立体から絵画に至る一連の作品において、北欧の伝統的な寓意性も有している。そこには、美術の伝統と現代のポップ カルチャーの間を往復しながら、独自の世界を想像しようとするアーティストの遊び心と野心を垣間見ることができる。

 本展では、コロナ禍とロシアによる戦争の脅威が差し迫るなかで制作されたセラミック、ブロンズ、ドローイングからキャンバスペインティングまで、すべて新作の力作たちが一堂に会す。

 オジャネンは自身の作品について次のように語っている。「私の作品はある種の宇宙だと思っていますが、それについてのルールや物語はありません。私たちが住んでいる世界にかなり近いと思いますが、より正直です。人々が自分の本当の気持ちを示すことができ、見せかけの後ろに隠れない場所です」。