EXHIBITIONS

憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、 ゴーガン、 黒田清輝らが見た異郷

2023.03.18 - 06.11

クロード・モネ  ポール=ドモワの洞窟 1886年 茨城県近代美術館

ポール・ゴーガン 海辺に立つブルターニュの少女たち 1889年 国立西洋美術館 松方コレクション

黒田清輝 ブレハの少女 1891年 石橋財団アーティゾン美術館

 国立西洋美術館で、19世紀後半から20世紀にかけて各国の画家たちがテーマにしてきたブルターニュ地方に着目した初めての展覧会「憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」が開催される。

 ブルターニュは、19世紀末にポール・ゴーガンが率いるポン=タヴェン派やナビ派といった、美術史上重要な画家グループの誕生を促した場所でもある。また明治・大正時代の日本からも黒田清輝や藤田嗣治などが渡仏し、この地を主題とした作品を残している。

 本展では、19世紀後半から20世紀初めに制作された、フランスを中心とする多彩な画家たちによるブルターニュがテーマの作品・関連資料が一堂に展示される。同時代に日本から渡仏した画家の作品もあわせて展観する初の試みだ。

 会場では国内美術館や個人コレクション30ヶ所以上から選りすぐられたウジェーヌ・ブーダン、クロード・モネ、ポール・シニャック、オディロン・ルドン、アルフォンス・ミュシャをはじめとする50人以上の作家による絵画・版画・素描など約160点が展示される。なかでもポール・ゴーガンの作品は10点以上が集結し、造形様式の変遷を段階的に鑑賞することが出来る。

 また国立西洋美術館「松方コレクション」からは約30点が出品され、モーリス・ドニ、シャルル・コッテ、リュシアン・シモンなど、フランスでも近年研究が進み再評価の兆しがみえる画家たちの作品にも注目してほしい。