EXHIBITIONS
三島喜美代―未来への記憶
練馬区立美術館で「三島喜美代―未来への記憶」が開催される。
三島喜美代(1932〜)は、絵画を出発点に現代美術家としての活動を1950年代にスタート。60年代には新聞や雑誌などの印刷物をコラージュした作品やシルクスクリーンをもちいた平面作品を制作していた。70年代に入ると表現媒体を一転し、シルクスクリーンで印刷物を陶に転写して焼成する立体作品「割れる印刷物」を手がけ、大きな注目を集めた。日々発行され、膨大な情報をもつ印刷物と、硬く安定しているかに見えながら、割れやすい陶という素材を組みあわせることで、氾濫する情報に埋没する恐怖感や不安感が表現された。
しかし、大量の新聞や雑誌がすぐに消費されてゴミとなるように、情報からゴミへと三島の問題意識も次第に移っていった。空き缶や段ボールなど身近なゴミを題材に陶で再現した作品、産業廃棄物を高温で処理した溶融スラグを素材とする作品を発表する。近年は、自ら集めた鉄くずや廃材を取り込んだ作品制作も行っている。
本展は、70年にわたる三島の創作の軌跡を、主要作品を通して概観するもの。大量消費社会や情報化社会へ厳しい視線を投げかけつつも、情報やゴミを異化作用を通して造形表現へと転化させた三島作品は、日々の暮らしのなかから遊び心をもって生み出されてきた。会場では、初期のコラージュ作品から「割れる印刷物」のオブジェの数々、環境に配慮した素材による近作などが並ぶ。
ハイライトとして三島の代表作であり、最大規模のインスタレーション作品《20世紀の記憶》を展示。ぎっしりと床に敷き詰められた大量の耐火レンガ・ブロックから成るこの作品は、各レンガの表面に三島が20世紀の100年間から抜き出した新聞記事が転写されている。展覧会を通して、三島が社会の現実を見つめながら、情報とゴミの問題をテーマに一貫して追い求めてきた作品世界の全貌を明らかにし、その魅力と実像に迫る。
三島喜美代(1932〜)は、絵画を出発点に現代美術家としての活動を1950年代にスタート。60年代には新聞や雑誌などの印刷物をコラージュした作品やシルクスクリーンをもちいた平面作品を制作していた。70年代に入ると表現媒体を一転し、シルクスクリーンで印刷物を陶に転写して焼成する立体作品「割れる印刷物」を手がけ、大きな注目を集めた。日々発行され、膨大な情報をもつ印刷物と、硬く安定しているかに見えながら、割れやすい陶という素材を組みあわせることで、氾濫する情報に埋没する恐怖感や不安感が表現された。
しかし、大量の新聞や雑誌がすぐに消費されてゴミとなるように、情報からゴミへと三島の問題意識も次第に移っていった。空き缶や段ボールなど身近なゴミを題材に陶で再現した作品、産業廃棄物を高温で処理した溶融スラグを素材とする作品を発表する。近年は、自ら集めた鉄くずや廃材を取り込んだ作品制作も行っている。
本展は、70年にわたる三島の創作の軌跡を、主要作品を通して概観するもの。大量消費社会や情報化社会へ厳しい視線を投げかけつつも、情報やゴミを異化作用を通して造形表現へと転化させた三島作品は、日々の暮らしのなかから遊び心をもって生み出されてきた。会場では、初期のコラージュ作品から「割れる印刷物」のオブジェの数々、環境に配慮した素材による近作などが並ぶ。
ハイライトとして三島の代表作であり、最大規模のインスタレーション作品《20世紀の記憶》を展示。ぎっしりと床に敷き詰められた大量の耐火レンガ・ブロックから成るこの作品は、各レンガの表面に三島が20世紀の100年間から抜き出した新聞記事が転写されている。展覧会を通して、三島が社会の現実を見つめながら、情報とゴミの問題をテーマに一貫して追い求めてきた作品世界の全貌を明らかにし、その魅力と実像に迫る。