モネ それからの100年

　モネがパリのオランジュリー美術館の壁面を飾る大作《睡蓮》の制作に取りかかったのは、約100年前。画家が没した翌年の1927年に同作が公開されたとき、人々の反応はいまでは考えられないほど冷淡なものだった。

　それから20年余、あまりに時代に先んじていたモネの斬新な絵画表現は次第に理解者を増やし、アンドレ・マッソンが述べた「つまり、モネは印象派ではなく、あらゆる現代美術の生みの親ではないのか？ 」の言葉通り、現代美術の出発点としても位置づけられている。

　本展では、約90点の出品作を通して、印象派を超えて現在にまでつながるモネ芸術の深みと広がりを俯瞰。モネから現代へと向かう流れだけでなく、現代の視点からモネを見直すことにより、新たな価値を発見する。

　時代を超え、あらゆる人々を魅了し、刺激し続けるモネの絵画。現代美術との出会いによって再び覚醒する、巨匠の魅力に注目したい。

＜出品作家＞
クロード・モネ、アルフレッド・スティーグリッツ、エドワード・スタイケン、マーク・ロスコ、ウィレム・デ・クーニング、モーリス・ルイス、サム・フランシス、ロイ・リキテンスタイン、ジャン＝ポール・リオペル、ジョアン・ミッチェル、アンディ・ウォーホル、ゲルハルト・リヒター、ルイ・カーヌ、堂本尚郎、中西夏之、松本陽子、平松礼二、根岸芳郎、岡﨑乾二郎、児玉靖枝、鈴木理策、福田美蘭、丸山直文、湯浅克俊、小野耕石、児玉麻緒、水野勝規