EXHIBITIONS
松原健
Spring Steps
様々なオブジェクトやインスタレーションを伴う多角的な作品群で注目を集める松原健が、LOKO GALLERYでの初個展を開催する。
松原は1980年代から映像や写真を主なメディアとして扱い、精力的に活動を展開。近年は、一貫して抱き続けるテーマのひとつである「記憶」をもとに制作を行う。作品に用いられる古いファウンド・フォト/オブジェクトは、固有の重厚な歴史的背景やノスタルジアの気配を感じさせるいっぽうで、シンプルかつ清新な作品構造のなかで匿名性を付与されることによって鑑賞者の記憶と共鳴し、まったく新しい像を結ぶ。
記憶の反復や循環、共鳴といった諸作用から生じる力学について、松原はセーレン・キェルケゴールの「反復と追憶は同一の運動である」「追憶されるものはかつてあったものであり、それが後方に向って反復されるのに対し、ほんとうの反復は前方に向って追憶される」という言葉を引きながら語っている。
本展では、映像とインスタレーションを軸に、松原が初めて取り組む「ダンス」をモチーフとした作品群を展開。戦後日本の復興期で催された社交ダンス、ダンスホールは、当時の若者の憧れであった欧米的な洒脱さの象徴であると同時に、アジアの近代化や植民地支配といった問題と背中合わせになった存在であるともいえる。松原は複雑な背景を顧みつつ、かつてこの国で「ダンス」という文化が持っていたダイナミックな熱量を自らの作品の中に召喚し「追憶」することで、未来へ向かう新しい磁場の生成を目指す。
松原は1980年代から映像や写真を主なメディアとして扱い、精力的に活動を展開。近年は、一貫して抱き続けるテーマのひとつである「記憶」をもとに制作を行う。作品に用いられる古いファウンド・フォト/オブジェクトは、固有の重厚な歴史的背景やノスタルジアの気配を感じさせるいっぽうで、シンプルかつ清新な作品構造のなかで匿名性を付与されることによって鑑賞者の記憶と共鳴し、まったく新しい像を結ぶ。
記憶の反復や循環、共鳴といった諸作用から生じる力学について、松原はセーレン・キェルケゴールの「反復と追憶は同一の運動である」「追憶されるものはかつてあったものであり、それが後方に向って反復されるのに対し、ほんとうの反復は前方に向って追憶される」という言葉を引きながら語っている。
本展では、映像とインスタレーションを軸に、松原が初めて取り組む「ダンス」をモチーフとした作品群を展開。戦後日本の復興期で催された社交ダンス、ダンスホールは、当時の若者の憧れであった欧米的な洒脱さの象徴であると同時に、アジアの近代化や植民地支配といった問題と背中合わせになった存在であるともいえる。松原は複雑な背景を顧みつつ、かつてこの国で「ダンス」という文化が持っていたダイナミックな熱量を自らの作品の中に召喚し「追憶」することで、未来へ向かう新しい磁場の生成を目指す。