EXHIBITIONS

生誕120年 中村忠二展 オオイナルシュウネン

2018.06.22 - 07.29

中村忠二 青い星の下で(部分) 1959 筑波大学・石井コレクション

中村忠二 野の女 1959 筑波大学・石井コレクション

中村忠二 青い星の下で 1959 筑波大学・石井コレクション

中村忠二 『春夏集 第二巻』より 1966 個人蔵

中村忠二 からす西へ行く 1968年 練馬区立美術館蔵

 強い筆致でありながら繊細で叙情豊かな作品世界を展開し、詩にも関心を示した作家、中村忠二の展覧会が開催される。

 忠二は1898年現在の兵庫県姫路市に生まれ、20歳で上京し、1919年日本美術学校も入学するも翌年に退学。水彩連盟展や光風会、国画会に出品しながら洋画団体「歩人社」「トアル社」などを結成して活動、交流のあった画家、水波博の影響でモノタイプの研究を始める。60年以降は、風景や植物といったこれまで用いてきたモチーフを一転させ、幾何学図形などを配置し、他に類を見ない大作を発表。また詩画の制作にも精力的に取り組み、『蟲たちと共に』『秋冬集』など、生前5冊の詩画集を自費出版している。

 切り詰めた生活を送りながら各地を転々した忠二にとって、晩年の20年間を過ごした練馬区はゆかりの地。本展では、初期の油彩画から水彩画、版画、詩画までおよそ80点を紹介する。