EXHIBITIONS

虎屋のおひなさま

2020.02.22 - 03.29

男雛・女雛 京都・丸平大木人形店製 日本・明治時代 19世紀 株式会社虎屋蔵

台所道具 日本・江戸時代 19世紀 株式会社虎屋蔵

牡丹唐草文貝桶 日本・江戸時代 19世紀 株式会社虎屋蔵

 人形に厄を移して祓い、女子の健やかな成長を祈願する「ひなまつり」。3月3日に男女一対の雛人形を飾り、雛節供(ひなせっく)として祝うようになったのは江戸時代に入ってからのことで、美しい内裏雛に加えて、江戸時代後期になると、付属する人形や雛道具の種類も徐々に増えていった。

 本展では、和菓子の老舗・虎屋十四代店主黒川光景(くろかわみつかげ、1871~1957)が、長女・算子のために揃えた雛人形と雛道具のコレクションを紹介する。

 雛人形は京都の丸平大木人形店が手がけた、愛らしくも品格漂う内裏雛。いっぽう、雛道具のほとんどは、江戸の贅のひとつに数えられた上野池之端の七澤屋でつくられ、漆器を中心に、極小ながらも細部まで美しい細工が施された作品が多種多様に揃う。

 本展ではこれらと同時に、根津美術館が所蔵する婚礼調度もあわせて展示。雛道具の原型とされる婚礼調度とミニチュアの雛道具とを比較しながら、江戸の細密工芸の世界を楽しみたい。

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催を中止。