昭和の洋画を切り拓く 佐伯祐三、前田寛治、里見勝蔵たちの若き情熱

　日本近代洋画史を語るうえで欠かせない1930年協会と初期独立美術協会の作家たちを紹介する企画。

　1926年に結成された1930年協会は、西洋の模倣ではない「新しい日本の洋画」と来るべき「1930年」を見据えた当時の若き青年画家、前田寛治、里見勝蔵、木下孝則、佐伯祐三、小島善太郎によって結成され、美術界に旋風を起こした。やがて、里見の離脱、佐伯と前田の相次ぐ病没などで組織の足並みが乱れるものの、彼らの情熱は独立美術協会へと引き継がれ、二科会の里見勝蔵、児島善三郎、川口軌外、春陽会の三岸好太郎、国画会の高畠達四郎らを擁しながら当時の洋画壇を牽引。「既成団体より絶縁」し、「新時代の美術を確立」することを目指した。

　本展では、当時の洋画壇に大きな衝撃と影響を与え、一躍時代の寵児となった若き画家たちの挑戦を約70点の作品からたどる。