EXHIBITIONS
志村ふくみ展 いのちを織る
紡織(つむぎおり)によって、前人未踏の豊かな芸術世界を開拓した染色家・志村ふくみ。1924(大正13)年、滋賀県近江八幡市に生まれた志村は、まだ作家として織の作品をつくり手が少なかった戦後において染織への道を志し、今日に至るまでひたむきな創作活動を続けてきた。1990年に重要無形文化財「紬織」保持者(人間国宝)の認定を受け、2015には文化勲章を受章。90歳を過ぎた現在も新たな制作に励んでいる。
志村作品の魅力は、植物染料で染めた絹糸による豊かな色彩のハーモニーにある。志村は野山から採取した草木で糸を染めることを「植物の命の色をいただく」と表現するほど植物を尊び、自然に対して純粋で真摯な創作姿勢を貫いてきた。また文筆家としても活躍し、『一色一生』で第10回大佛(おさらぎ)次郎賞(1983)を、『語りかける花』で第41回日本エッセイスト・クラブ賞(1993)を受賞している。
本展は、作家の故郷にある滋賀県立近代美術館のコレクションを中心とした紡織着物およそ100点により、初期から近年にいたる志村の芸術をたどるもの。自然と人間との関わりと、古典文学をはじめとする日本の文化に対する深い考察に基づき、染織界に新たな地平を切り開いた志村の作品が一堂に揃う。
志村作品の魅力は、植物染料で染めた絹糸による豊かな色彩のハーモニーにある。志村は野山から採取した草木で糸を染めることを「植物の命の色をいただく」と表現するほど植物を尊び、自然に対して純粋で真摯な創作姿勢を貫いてきた。また文筆家としても活躍し、『一色一生』で第10回大佛(おさらぎ)次郎賞(1983)を、『語りかける花』で第41回日本エッセイスト・クラブ賞(1993)を受賞している。
本展は、作家の故郷にある滋賀県立近代美術館のコレクションを中心とした紡織着物およそ100点により、初期から近年にいたる志村の芸術をたどるもの。自然と人間との関わりと、古典文学をはじめとする日本の文化に対する深い考察に基づき、染織界に新たな地平を切り開いた志村の作品が一堂に揃う。