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梅棹忠夫生誕100年記念企画展「知的生産のフロンティア」

フィールドノートから内容別に転記したローマ字カード(写真撮影=尼川匡志) 国立民族学博物館蔵

 国立民族学博物館の初代館長・梅棹忠夫(うめさお・ただお)の生誕100年を記念した展覧会が開催される。

 梅棹は1920年京都府生まれ、京都帝国大学理学部卒業。大学では主として動物学を専攻したが、内モンゴルの学術調査を通じて民族学に転じ、アフガニスタン、東南アジア、東アフリカ、ヨーロッパなどでフィールドワークを精力的に行った。57年に中央公論にて発表され、67年に書籍化された『文明の生態史観』において、西欧文明と日本文明は、ほぼ同じあゆみで進化したという「平行進化説」を発表した。

 大阪市立大学理工学部、京都大学人文科学研究所で教壇に立ち、国立民族学博物館の創設に尽力。74〜93年まで館長を務め、退官後は同館の顧問、名誉教授となる。88年に朝日賞を受賞。91年に文化功労者となり、94年に文化勲章を、99年に勲一等瑞宝章を受章した。2010年没。

 多数の学術調査に参加した知の先覚者である梅棹は、調査成果を論文などにまとめる方法を著書『知的生産の技術』(1969)で述べ、しかし具体的に資料を加工する過程は示さなかった。

 本展では、梅棹のアーカイブズ資料とデジタル・データベースによって、梅棹の知的生産の舞台裏を紹介。『知的生産の技術』の原稿のほか、海外での調査記録などの実物資料が展示される。

 さらに会場では、AIを利用した先駆的なデジタル・アーカイブを実際に体験することができる。