EXHIBITIONS
アスカ・アナスタシア・オガワ
日本とブラジルにルーツをもつ美術作家、アスカ・アナスタシア・オガワがBLUM & POE東京では初となる個展を開催。本展は、今春オンライン上で公開されたオガワの新作ペインティングを一挙に展示する。
オガワは1988年東京都生まれ。幼少期に東京の都会からブラジル・ペトロポリスへと移り住む。新たな生活の拠点となったブラジルでは、自由に歩き回る農場の動物たちや滝を身近に自然に囲まれた子供時代を過ごした。10代半ばでスウェーデンへ移住。その後ロンドンへ渡り、セントラル・セント・マーチンズで美術教育を受けた。現在は、ニューヨークとロサンゼルスを拠点に活動している。
オガワは作中に、淡い色彩の空の下にいる様々な子供たちの姿を描く。その光景は作家にとっての「故郷」を表しており、それは自らの多様なアイデンティティから起因する、ある種のアウトサイダーとしての経験や複数の母国をもつに至ったこれまでの半生に結びついている。
近作《Medicine girl》(2019)では、オレンジの小さな太陽が浮かぶ真っ赤な空の下、パステルカラーの装飾を背景に座した子供の姿を描写。その足元には瓶がおもむろに配置され、その胸元からは灰色の液体が弧を描きながら、重力に導かれるように淡く色塗られた地面へと注がれている。別の作品《Lilly》(2019)は、ライラック色の背景に佇む淡いピンクのドレスを着た人物がモチーフ。首に小さなワニをまとったその人物は手にわらの束を掴み、正面のポケットからは3本の乳白色の液体が入った瓶がのぞいている。これらに描かれているように、オガワの作品群は、ナラティブの解釈を見る者に委ねるいっぽうで、神秘主義、神話、儀式といった要素を象徴的に表現している。
オガワにとっての創作は、日本人とアフリカ系ブラジル人を祖とする自身の系譜へとスピリチュアルにつながっていくような極めてパーソナルな行為。フラットで独特なコンポジションの絵画空間は、ダイレクトな衝動をありのまま受け入れ、好奇心、驚き、遊びといった、子供のような本能的な感情を大切にしてきた作家自身の気質から生み出されている。
オガワは1988年東京都生まれ。幼少期に東京の都会からブラジル・ペトロポリスへと移り住む。新たな生活の拠点となったブラジルでは、自由に歩き回る農場の動物たちや滝を身近に自然に囲まれた子供時代を過ごした。10代半ばでスウェーデンへ移住。その後ロンドンへ渡り、セントラル・セント・マーチンズで美術教育を受けた。現在は、ニューヨークとロサンゼルスを拠点に活動している。
オガワは作中に、淡い色彩の空の下にいる様々な子供たちの姿を描く。その光景は作家にとっての「故郷」を表しており、それは自らの多様なアイデンティティから起因する、ある種のアウトサイダーとしての経験や複数の母国をもつに至ったこれまでの半生に結びついている。
近作《Medicine girl》(2019)では、オレンジの小さな太陽が浮かぶ真っ赤な空の下、パステルカラーの装飾を背景に座した子供の姿を描写。その足元には瓶がおもむろに配置され、その胸元からは灰色の液体が弧を描きながら、重力に導かれるように淡く色塗られた地面へと注がれている。別の作品《Lilly》(2019)は、ライラック色の背景に佇む淡いピンクのドレスを着た人物がモチーフ。首に小さなワニをまとったその人物は手にわらの束を掴み、正面のポケットからは3本の乳白色の液体が入った瓶がのぞいている。これらに描かれているように、オガワの作品群は、ナラティブの解釈を見る者に委ねるいっぽうで、神秘主義、神話、儀式といった要素を象徴的に表現している。
オガワにとっての創作は、日本人とアフリカ系ブラジル人を祖とする自身の系譜へとスピリチュアルにつながっていくような極めてパーソナルな行為。フラットで独特なコンポジションの絵画空間は、ダイレクトな衝動をありのまま受け入れ、好奇心、驚き、遊びといった、子供のような本能的な感情を大切にしてきた作家自身の気質から生み出されている。