EXHIBITIONS

川本喜八郎+岡本忠成 パペットアニメーショウ2020

『虹に向って』(1977年、岡本忠成監督) ©(株)電通テック、(株)エコー

『花折り』(1968年、川本喜八郎監督)より「大名」 撮影=田村実 飯田市川本喜八郎人形美術館蔵 ©(有)川本プロダクション

『注文の多い料理店』(1991年、岡本忠成脚本・演出、川本喜八郎監修) ©(株)桜映画社、(株)エコー

 川本喜八郎(1925〜2010)と岡本忠成(1932〜1990)は、日本のアニメーション映画における、ストップモーション撮影による立体アニメーションの分野で類なき功績を残した作家。両者は立体アニメーションの礎を築いた持永只仁のもとから巣立ったが、それぞれが歩んだ道は対照的であった。

 人形映画の先進国・チェコスロバキアで学び直した川本は、自らの生み出す端正なキャラクターに魂を吹き込み、生涯を人形に捧げた求道者として、テレビの歴史人形劇や外国との合作にも活路を見出した。

 いっぽうで岡本は主に教育映画の分野で創造性を発揮。平面・立体・半立体を自在に使い分け、木や皮、布などの多様な素材を動かしてアニメーションをつくり上げた。

 よきライバルであり、互いのよき理解者でもあったふたり。1970年代には、作品上映と人形劇を組み合わせた公演「川本+岡本 パペットアニメーショウ」(1972〜1980、全6回)を共同で企画・開催し、大きな話題を集めた。また後年、岡本の他界により制作が中断した『注文の多い料理店』(1991)を、川本が完成に導いた。

 2020年は川本の没後10年、岡本の没後30年にあたり、本展はふたりの友情の象徴でもある「パペットアニメーショウ」の名を冠して開催。人形をはじめとする撮影素材や作品制作のための様々な資料を展示し、両者の足跡をたどる。