EXHIBITIONS

御大典記念 特別展

よみがえる正倉院宝物

-再現模造にみる天平の技-

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶 裏(らでんしたんのごげんびわ うら) 正倉院事務所蔵 展示期間=2月9日~3月7日

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)の螺鈿に線彫りを施している様子

模造 黄銅合子(おうどうのごうす) 正倉院事務所蔵

模造 赤地唐花文錦(あかじからはなもんのにしき) 正倉院事務所蔵

正倉院正倉 外観

 天皇陛下御即位をはじめとする皇室の御慶事を記念した展覧会「よみがえる正倉院宝物-再現模造にみる天平の技-」が開催。正倉院宝物の精巧な再現模造の数々を一堂に公開している。

 正倉院宝物とは、奈良・東大寺の倉であった正倉院正倉に伝えられた約9000件におよぶ品々のこと。聖武天皇ゆかりの品をはじめ、その多くが奈良時代につくられ、調度品、楽器、遊戯具、武器・武具、文房具、仏具、文書、染織品など多彩な分野にわたる。

 1300年近くという長い時代を経て今日にいたる正倉院宝物は、きわめて脆弱であるため、毎年秋に奈良で開催される「正倉院展」で一部が展覧される以外はほとんど公開されてこなかった。

 明治時代に入り、正倉院宝物の修理と一体の事業として模造製作が本格的に始動。1972(昭和47)年からは宝物を管理する宮内庁正倉院事務所によって、宝物の材料や技法、構造の忠実な再現に重点を置いて模造製作が行われるようになった。以来、人間国宝ら伝統技術保持者の熟練の技と最新の調査・研究成果との融合により、優れた作品が数多く生み出されている。

 本展は、これまでに製作された数百点におよぶ再現模造作品のなかから、選りすぐりの逸品を一堂に集めて展示。再現された天平の美と技にふれ、日本の伝統技術を継承することの意義を伝える(※出品作はすべて再現された模造)。

※《模造 螺鈿紫檀五絃琵琶》は、前期(2月9日~3月7日)に正倉院事務所蔵を展示し、後期(3月9日~28日)は東京国立博物館蔵を展示。