EXHIBITIONS
倉田悟展「Ba/u/cker La/u/cker(バッカー・ラッカー)」
具象絵画の新たな可能性を探るアーティスト・倉田悟の個展「Ba/u/cker La/u/cker(バッカー・ラッカー)」が開催。小山登美夫ギャラリーでの初個展となる本展では、3メートルを超える大作を含むペインティング約20点を展示する。
倉田は1991年東京都生まれ。2014年に武蔵野美術大学造形学部油絵専攻を卒業後、ベルリン芸術大学へ協定留学。17年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了し、現在は東京を拠点に制作活動を行う。近年の主な個展に「Weird Void」(武蔵野美術大学 FAL、東京、2020)、「アジワルラの思い出」(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京、2016)。
倉田は自身の記憶や直観的なイメージを出発点に、独特のユーモアと物語性を湛えた絵画世界をつくり出す。作品には、人や動物、家具や車といった具象的に描かれたモチーフが頻繁に登場するが、現実世界や特定の時代性を連想させる要素は注意深く削ぎ落とされるのが特徴だ。個人的な題材をあえて汎用的な造形に落とし込むアプローチには、作品の自画像的な側面を「閉じた物語ではなく普遍化する」倉田の作品に対する態度が反映されている。
擬人化された動物や、仮面をつけた人間のクローズアップ、誰しも見たことのあるような日常の一場面。それらが緻密な筆致で描かれ、明暗、彩度、疎密、有機と無機、厚みと透明感の対比が画面全体のバランスを構築し、風景に「呼吸感」を与える。倉田が絵を描く理由には「人はなぜ生きているのか」という根源的な問いがあり、作家は政治やテクノロジーのためではなく、「人間のための作品」をつくりたいとしている。
本展で倉田は、3つの展示スペースを色彩の与える視覚効果によって分ける。最初に真夜中を連想させるモノクロームの作品のスペース、次に黄昏時を描いた作品のスペース、最後は再び暗く、かつ有彩色の作品のスペース。3つの部屋では、キャンバスに写し出された光景が現実の空間に与える視覚効果を最大限に発揮し、そして死に関連する領域の移り替わり、精神状態により視覚から彩度が失われることも表している。
倉田は1991年東京都生まれ。2014年に武蔵野美術大学造形学部油絵専攻を卒業後、ベルリン芸術大学へ協定留学。17年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了し、現在は東京を拠点に制作活動を行う。近年の主な個展に「Weird Void」(武蔵野美術大学 FAL、東京、2020)、「アジワルラの思い出」(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京、2016)。
倉田は自身の記憶や直観的なイメージを出発点に、独特のユーモアと物語性を湛えた絵画世界をつくり出す。作品には、人や動物、家具や車といった具象的に描かれたモチーフが頻繁に登場するが、現実世界や特定の時代性を連想させる要素は注意深く削ぎ落とされるのが特徴だ。個人的な題材をあえて汎用的な造形に落とし込むアプローチには、作品の自画像的な側面を「閉じた物語ではなく普遍化する」倉田の作品に対する態度が反映されている。
擬人化された動物や、仮面をつけた人間のクローズアップ、誰しも見たことのあるような日常の一場面。それらが緻密な筆致で描かれ、明暗、彩度、疎密、有機と無機、厚みと透明感の対比が画面全体のバランスを構築し、風景に「呼吸感」を与える。倉田が絵を描く理由には「人はなぜ生きているのか」という根源的な問いがあり、作家は政治やテクノロジーのためではなく、「人間のための作品」をつくりたいとしている。
本展で倉田は、3つの展示スペースを色彩の与える視覚効果によって分ける。最初に真夜中を連想させるモノクロームの作品のスペース、次に黄昏時を描いた作品のスペース、最後は再び暗く、かつ有彩色の作品のスペース。3つの部屋では、キャンバスに写し出された光景が現実の空間に与える視覚効果を最大限に発揮し、そして死に関連する領域の移り替わり、精神状態により視覚から彩度が失われることも表している。