EXHIBITIONS

藤村祥馬 個展「Luck Action」

2021.07.24 - 09.11

©︎ Shoma Fujimura Courtesy of KANA KAWANISHI GALLERY

藤村祥馬 power spinner 2017 参考作品

藤村祥馬 どれいちゃん号 2015 参考作品

藤村祥馬 joke 2014 参考作品

 ジャンク品や金属など、様々な素材を組み合わせたキネティック作品を制作するアーティスト・藤村祥馬の個展「Luck Action」が開催中。

 藤村は1991年東京都生まれ。明星大学造形芸術学部、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を卒業。金属、日用品などを素材に用い、動く彫刻作品を制作してきた。大学院在学時の2015年に「第18回岡本太郎現代芸術賞」特別賞(川崎市岡本太郎美術館)を受賞し、また表良樹、森山泰地と結成したアーティスト・ユニット「鯰」としての活動でも注目を集めている。

 キネティック作品で知られる藤村は、例えば17年に、様々な用途のタイヤやディスプレイなどのジャンク品を組み合わせ、ひとつの動力につられて回転や動作が連動していく大掛かりな作品《power spinner》を発表。通常であれば「動き」に伴うべき「目的」が欠落しているこの作品は、ただ粛々と物理法則に従って動き続け、一見するとナンセンスで滑稽に思えながらも、つねに忙しなく目的に追われる日々を過ごす私たち現代人に対し、示唆的であるとも言える。

 KANA KAWANISHI GALLERYでの初個展となる本展は、全作品を新作で構成し、藤村独特のオリジナリティを凝縮させた空間を展開している。

 複雑化する現代社会のしがらみを軽やかに飛び越えながら、純粋な遊びのなかにウィットや示唆に富む藤村の世界観。ジャンク品という、人間活動のもとの文脈から外されたモノを起点につくり出される作品の数々は、柔軟で素直な発想でモノの姿や動きを見つめながら、元来の在り方というものを私たちに示してくれるだろう。

※本展は展示作品を追加し、会期を9月11日まで延長。最新情報は公式ウェブサイトへ。