EXHIBITIONS

林勇気 個展「15グラムの記憶」

2021.09.03 - 09.26

林勇気 15グラムの記憶 2021 © Yuki hayashi

 関西を拠点に活動する映像作家・林勇気の個展「15グラムの記憶」がeN artsで開催される。

 林は1976年京都府生まれ。自身で撮影した画像をパソコンに取り込み、切り抜きをしたデータを重ねてアニメーション映像を制作。自ら撮影した写真のほか、人々から提供された写真やインタビューを素材とした作品により、デジタル・メディアやインターネットを介して行われる現代的なコミュニケーションや記憶のあり方を問い直す。

 近年では「KYOTO STEAM 国際アートコンペティションスタートアップ展」(京都市京セラ美術館)にて、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)とコラボレーション作品を制作するなど、多岐にわたる活動を展開している。

 今回の展覧会は、祖父の遺品から見つかったフロッピーディスクに記録された川の写真をたどる物語。祖父が撮影したであろう写真、フロッピーに残っていた写真の川をたどる「私」の映像、Digital mavicaで撮影された映像、これらの映像の随所に散りばめられた欠片を集めてみてみると、「祖父」と「私」の感傷的な物語だけではない「何か」が浮かび上がってくることだろう。

 なお今回は、eN arts collectionに所蔵されているiPod touchを使用した映像作品《overlap》(2010)も特別に展示される。